MAXELL|THE ISRAELITES|1990|イギリス
「歌詞が聞こえない」というインサイトを、ボブ・ディランで / MAXELL「THE ISRAELITES」
1990年、カセットはもう終わりかけていたクマ。CDに音質でも未来感でも負けて、UKのブランクテープ市場で5位。そこにHitachi Maxellが投下したのがこの30秒クマ。
シーン
背景・課題
CDに押されて縮む市場で、Maxellは老舗なのにUK5位まで落ちていたクマ。声をかけたのは当時のロンドンで一番尖っていた代理店、HHCL。
ねらい・インサイト
好きな曲なのに歌詞が全然聞き取れない、あの現象クマ。英語では「空耳(mondegreen)」って呼ぶらしい。曲に選んだのはデズモンド・デッカーの「Israelites」。ジャマイカ訛りがきつくて、UKでは昔から「何言ってるか分からん曲」として有名だったクマ。
アイデア
ボブ・ディランの伝説的な映像、あのカードをめくっていく演出をそのまま拝借クマ。男が「Israelites」を聴きながらカードをめくると、そこにあるのは正しい歌詞じゃなくて空耳の歌詞。「The Israelites」が「My ears are alight」に聞こえる、みたいなやつクマ。最後に一言、「Maxellで録ってたら、ちゃんと聞こえたのに」。姉妹編としてThe Skidsの「Into the Valley」版も同時に作られたクマ。
展開・成果
1990年1月オンエア。D&D AdvertisingでGraphite Pencilを受賞し、Maxellはカセット市場で5位から2位まで浮上したクマ。デズモンド・デッカー本人も再注目されるというおまけ付きクマ。
余韻
カセットの弱点をごまかさず、「だからこそMaxell」と胸を張って言い切ってるのがいいクマ。音質という地味な話を、誰もが知ってる空耳あるあるに変換した企画力、たまらなく好きクマ〜。


