SINGTEL|Old Phones Give New Life (Project Silverline)|2013|シンガポール
誰かの引き出しの中の1台が、誰かの孤独を解いた / SingTel「Old Phones Give New Life」
使われなくなったiPhoneに、5つの専用アプリを入れただけクマ。それだけで、ひとり暮らしの高齢者1,000人以上が社会と繋がり直したクマ。
シーン
背景・課題
シンガポールでは高齢化が進み、当時60歳以上の人口は8%、2030年には19%に達すると見込まれていた。一方で独居高齢者の孤独・孤立は「隠れた殺人者」とまで言われる健康リスクとして認識されていた。多くの高齢者はスマートフォンを持たず、その理由は使い方が分からないこと、あるいは経済的な事情だった。
ねらい・インサイト
新しい端末を配ることが解決策ではないクマ、というのがこの企画の出発点だったクマ。すでに世の中に、使われなくなったiPhoneが大量に眠っている。ハードは足りている、足りていないのは「高齢者向けに設計された中身」だと気づいたところがこの企画の核クマ。
アイデア
SingTelはユーザーから使わなくなったiPhoneと充電器の寄付を募り、それを改修して高齢者に無償配布した。端末には見守り・健康管理・交流など高齢者向けに開発された5つのアプリを搭載し、さらに1年分の通話・データ通信費用もSingTelが負担。配布はLions BefriendersやWilling Heartsといった福祉団体と連携して行われた。
展開・成果
施策は2012年10月に始まり、2013年3月まで展開。プレスリリースなどによると、印刷・放送・オンラインを含む30以上の媒体で無償の報道がなされ、Cannes Lions 2013のMobile Lionsで賞を獲得した。
余韻
スマホを配る、じゃなくて、もう役目を終えたと思われていたスマホに新しい役目を与えるクマ。捨てるはずだった1台が、誰かの1日の始まりになるって、それだけでちょっと泣きそうになるクマ。テクノロジーの進化って、新しいものを作ることだけじゃなくて、余っているものの意味を書き換えることでもあるんだなあ、としみじみ思うクマ。
