TOYOTA PRIUS|PRIUS GOES PLURAL|2011|アメリカ
車を買う前に、文法の投票をさせられた / TOYOTA PRIUS「PRIUS GOES PLURAL」
プリウスが増えたら、名前はどうなるか。それだけで1本のキャンペーンになったクマ。答えは車じゃなくて、文法の中にあったクマ。
シーン
背景・課題
2011年、デトロイト・オートショーでプリウスは1台から4台のファミリーへと拡大した。増えたプリウスをどう呼ぶかという素朴な疑問について、複数のプリウス所有者の間で長年議論が続いていた。
ねらい・インサイト
答えを用意するのではなく、質問を投げて公衆に委ねたのがこの企画の芯クマ。Saatchi & Saatchi LAは「Prius」という単語自体が持つ文法的な珍しさに目をつけて、それを1970年代風の教育アニメのフォーマットに乗せた。goose/geese、cactus/cactiのような不規則な複数形を歌にして見せることで、「Priusの複数形は何か」という問いそのものを楽しいコンテンツに変えているクマ。
アイデア
Hunter Gathererが制作したストップモーションアニメは、Schoolhouse Rock風の1970年代教育番組を模した作り。歌に乗せて複数形の複雑さを説明し、最後に「Priusが複数になったら何と呼ぶ?」と問いかける。投票はバナー広告やFacebook、Toyotaサイト、さらにはソーシャルゲーム「Car Town」内の投票所でも受け付けられ、後半にはJames Liptonが「シェイクスピア」や綴りの達人の少女、タコにまで「Priusの複数形は?」と尋ねる寸劇シリーズも展開された。
展開・成果
投票の結果、25%の得票を集めた「Prii」が公式な複数形として選ばれ、Dictionary.comにも反映された。2011年カンヌライオンズでCyber部門ゴールドを受賞したほか、Webby AwardsのBest Copywriting People's Choice、D&ADのCopywriting部門でも評価された。
余韻
車のスペックでもデザインでもなく、「呼び方」だけで話題を作ったのが、このキャンペーンの一番おかしいところクマ。文法オタクの悩みを、全米が投票する遊びに変えてしまう発想、こういうのに弱いクマ〜。


