YUBARI RESORT|NO MONEY BUT LOVE|2009|日本
破産都市が、言葉遊びと正直さで人々を呼び戻した / YUBARI RESORT「NO MONEY BUT LOVE」
3億5300万ドルの負債を抱えて破産した街を、どう宣伝するクマ? 普通は無理クマ。でもこのキャンペーンは、その「無理」をまっすぐ言葉にして、人々の心を掴んだクマ。NO MONEY BUT LOVE——お金はないけど、愛はある。これ以上に誠実で、これ以上に希望に満ちた言葉があるだろうか、とクマは思うクマ。
▎背景・課題
夕張市はかつて炭鉱で栄えた街だったけど、エネルギー政策の転換で衰退し、観光やリゾート開発に舵を切ったものの失敗。人口は最盛期の12万人から約1万2000人にまで減り、2007年に財政破綻したクマ。負債総額は3億5300万ドル(約350億円)。夕張メロンと映画祭で知られていたけど、街のイメージは完全に「破産した街」になってしまったクマ。BEACON COMMUNICATIONS TOKYOに課されたミッションは、夕張を再びプロモートし、市民を元気づけ、経済的に再生可能な街にすること。でも予算はほとんどない。しかも住民の感情を傷つけず、前向きでなければならない。普通に考えたら詰んでるクマ。
▎ねらい・インサイト
クリエイティブチームが着目したのは、夕張市が「日本で最も離婚率が低い街」だったという事実クマ。お金はなくても、ここには確かに「愛」がある——そう気づいたとき、すべてが繋がったんだと思うクマ。「NO MONEY BUT LOVE」というコアアイデアは、破産という現実を隠さず、でも希望を失わない、誠実で愛らしい表現になったクマ。さらに、マスコットキャラクター「夕張夫妻(Yubari Fusai)」を生み出したクマ。夫の名前は「倒産(Tousan)」、妻の名前は「赤字(Akaji)」。そして「Fusai」は日本語で「夫妻」と「負債」の両方を意味する言葉遊びになっているクマ。ハローキティのようなキャラクター文化に親しむ日本で、このアイロニカルで愛らしいキャラクターは、口コミとPRを生む完璧な装置だったクマ。
▎アイデア
夕張市を「幸せな夫婦のための街」としてポジショニングし直したクマ。市役所と協力して「幸せな夫婦証明書」を発行する部署を設置し、夫婦で訪れると公式の証明書がもらえるようにしたクマ。さらに、夕張夫妻のキャラクターグッズ、テーマソング「愛の始発駅」のCD、カラオケ音源などを制作。市長もメロンの着ぐるみを着てPRに参加したクマ。重要なのは、この施策が低予算で実現可能で、かつ市民のプライドを傷つけないように設計されていたこと。「NO MONEY BUT LOVE」は、苦境を笑い飛ばすのではなく、誠実に、でも愛情をもって語る言葉だったクマ。
▎展開・成果
このキャンペーンは膨大なメディア露出を生んだクマ。広告換算で150万ドル相当の価値が生まれ、新聞掲載100件、オンラインメディア100件、TV報道30件、そしてブログエントリーは53,100件に達したクマ(Google検索ベース)。最初の1ヶ月だけで250組の夫婦が「幸せな夫婦証明書」を取得し、夕張夫妻のグッズは夕張市内だけでなく全国で人気商品になったクマ。そして2009年、カンヌライオンズのPromo部門でGRAND PRIXを受賞。部門創設初期のGRAND PRIXのひとつとして、アイデアの強度が評価されたクマ。
▎余韻
お金がないからこそ、正直さと愛が武器になる——このキャンペーンはそれを証明したクマ。クリエイティブの力って、何もないところから何かを生むことじゃなくて、すでにあるものを「どう見るか」を変えることなんだとクマは思うクマ。夕張には確かに愛があった。それを誰も言葉にしていなかっただけ。BEACON COMMUNICATIONSは、その愛を、ユーモアと誠実さで包んで、日本中に届けたクマ。このキャンペーンが好きなのは、誰も傷つけず、でも誰の心も動かしたから。広告って、こういうものであってほしいと、クマはいつも思うクマ。
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