AGNESI|SILENCE(Silenzio, parla Agnesi)|1986|イタリア
喋らないことで、喋らせたCM / AGNESI「SILENCE」
最後の一言のためだけに、延々と沈黙を見せたCMがカンヌでゴールドを獲ったクマ。しゃべらないことを、しゃべらせた一本クマ。
シーン
背景・課題
舞台は1980年代のイタリア、パスタ市場の巨人バリラとの競争が激化していた時代。200年近い歴史を持つ老舗ブランド・アニェージが、新興の広告代理店カナールと組んでブランドの存在感を取り戻そうとしていたクマ。
ねらい・インサイト
テレビの音が消えると「何か壊れた」と思ってしまう、あの違和感を逆手に取ったクマ。豪華な食卓で、誰もが無言のままパスタを味わっている光景そのものが、言葉よりも雄弁に「うまさ」を語れるという発想クマ。実際、この案は社内でも最初は誰にも理解されず、企画者たちが押し通したという話が残っているクマ。
アイデア
エレガントな食事会、湯気の立つスパゲッティの皿を前に、出席者全員が一言も発さずただ黙々と食べ続ける。テロップが流れ、最後にナレーションが一言だけ告げる。「Silenzio, parla Agnesi(静かに、アニェージが話す)」。セリフを削ぎ落とす「引き算」の発想で沈黙そのものを主役にしたクマ。
展開・成果
カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルでゴールドライオンを受賞。イタリア広告史に残るキャッチフレーズとして今も語り継がれ、パロディまで作られるほどの定着ぶりを見せたクマ。
余韻
しゃべらせないことに全力を注いだCMが、結果的に一番長く語り継がれているの、皮肉で最高クマ。言葉を足せば足すほど弱くなる広告もあるってことを、40年前のパスタ屋さんがやってのけてたクマ。静かな食卓、観るたびにちょっと背筋が伸びるクマ。


