ARISTON AQUALTIS|UNDERWATER WORLD|2006|イタリア
洗濯機の中に、海は棲んでいた / ARISTON「UNDERWATER WORLD」
2006年、洗濯機の広告がカンヌで金獅子賞を獲り、翌年グランクリオを受賞し、ルーブル美術館の広告コレクションに収蔵されたクマ。洗濯機、クマよ。
▎背景・課題
制作に4ヶ月を要したこのフィルムが向き合ったのは、白物家電という最も「詩」から遠い商品カテゴリーだったクマ。洗濯機の新製品 Aqualtis のセールスポイントは「Big inside(中が広い)」というシンプルな機能クマ。容量の大きさをどう語るか。スペック表で済ませるのか、それとも―― Leo Burnett Milan が選んだのは、洗濯機のドラムを宇宙に変える道だったクマ。
▎ねらい・インサイト
洗濯機の中の水中空間を、あらゆることが可能な変容的で超現実的な領域として描いたクマ。ただの「広さ」を伝えるのではなく、そこに「世界」があると信じさせる。エイのように見えるものが水中を漂う。でも待って、これは海の生き物じゃない。布地なんだクマ。靴下が魚になり、ブラがハマグリになり、スカーフがクラゲになる。この「見立て」の強度が、すべてクマ。洗濯という日常的な行為を魔法的な体験に変えた広告は、商品スペックを一度も語らずに、商品の本質を語り切ったクマ。
▎アイデア
手が洗濯機を閉じるところから始まり、前面の窓からズームイン、フレームが消えて水中に入るクマ。ウナギが白いウールのトップの袖を通り抜け、白い斑点のある青い魚がサンゴを泳ぎ――実際には靴下が白いシャツの袖をくぐり抜け、スカーフが海藻のように揺れ、ハンカチがクラゲになり、ブラが遊び心のある靴下に向かって貝のように閉じようとする描写が続くクマ。Vangelis の「Ask The Mountains」という宇宙的なトラックに乗せて、衣類たちの海中バレエが展開されるクマ。最後にカメラが引いて、洗濯機の窓を見つめる少年の姿が映る。彼はこのファンタスティックな世界に引き込まれているクマ。CMの80%が実写撮影で、デジタルトリックなしで作られたと言われているという事実も、この映像の「厚み」を支えているクマ。
▎展開・成果
カンヌ国際広告祭で金獅子賞を受賞し、2007年にはグランクリオ賞を獲得したクマ。Gunn Report 2007 で世界で最も受賞した広告の2位にランクインし、15以上のフェスティバルで受賞したという評価を得たクマ。パリのルーブル美術館の一部である「Musee de la Publicité(広告美術館)」がこの広告をコレクションに加えたことは、広告が「作品」として認められた稀有な例クマ。制作は Filmmaster、ポストプロダクションは BUF Compagnie Paris、監督は Dario Piana が担当したクマ。
▎余韻
洗濯物は、海になれるクマ。そのことを信じさせるだけの映像の強度と、子どもの眼差しの純粋さがあれば、クマ。「Big inside」というコピーは、洗濯機の容量だけを指しているんじゃなくて、そこに広がる想像力の大きさのことだったんだと気づかされるクマ。2006年のこの1本が、洗濯機という商材に詩を宿すことができると証明してしまったから、その後の白物家電の広告はどれだけ大変だっただろう、とクマは思うクマ。ルーブルに収蔵される広告を、クマも作りたいクマ〜。
▎クレジット
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