CANAL+|THE BEAR|2012|フランス
クマの皮が、映画監督になった / CANAL+「THE BEAR」
リビングルームの床に敷かれたクマの敷物が、ハリウッド映画の監督になるクマ。言葉にするとバカみたいだけど、このバカみたいなアイデアが、Gunn Report史上最も受賞した広告になったクマ。2012年、世界中の広告人が嫉妬したやつクマ。
▎背景・課題
CANAL+は「観れば観るほど映画を愛するようになる」という新しいポジショニングを構築しようとしていたクマ。フランスのプレミアム有料チャンネルとして映画コンテンツに強みを持つ一方で、競合ひしめくペイTVマーケットでどう差別化するかが課題だったクマ。CANAL+とBETCは2001年から長年タッグを組んでいて、前作「The Closet」が2010年のGunn Reportで世界最多受賞作品になるなど、毎回クオリティの高いキャンペーンを打ち出してきた実績があったクマ。
▎ねらい・インサイト
リビングルームの床のクマの敷物は、どんな人間よりも多くの映画を観ている——このインサイトがすべてのはじまりクマ。CANAL+を一日中浴び続けたら、誰だって(何だって)映画に情熱的になるはずという発想クマ。当初クライアントは「視聴者をカウチポテトとして描くのは避けたい」と懸念を示したため、10本以上のスクリプトを書いたクマ。で、たどり着いたのが「映画を愛するクマの敷物が、監督になる夢を追いかける」というストーリークマ。バカげてるけど、愛がある。それがいいクマ。
▎アイデア
中世の戦闘シーンから始まる大作映画——と思いきや、クマの敷物「Paul Bearman」が撮影現場に歩み出て、演出から特殊効果まですべてに口を出すクマ。気難しい天才監督の典型を、ペラペラのクマの敷物で再現するという狂気クマ。ドキュメンタリー風の撮影スタイルでリアリティを出し、実際の俳優がクマを演じ、後からCGでクマの敷物に置き換えるという手の込んだ制作クマ。冒頭の戦闘シーンは、CANAL+の映画クオリティを示しつつ、クマの登場を予想外にするために最大限スペクタクルに作ったクマ。ユーモア、スペクタクル、リアリティ、興味——全部詰め込んだクマ。
▎展開・成果
2011年10月のローンチ直後に150万回再生を記録し、過去のどのCANAL+広告よりも高いインパクトスコアと、平均より18ポイント高い認知スコアを獲得したクマ。ビジネス面でも購買意向が通常より7ポイント高く、月額課金モデルのCANAL+にとって極めて重要な指標を動かしたクマ。そして受賞の嵐クマ。2012年カンヌライオンズでFilm Craft部門のGrand Prixをはじめ、合計9つのGrand Prixを獲得し、D&ADで4つのPencil、Clioで3つのGoldなど、Gunn Report史上最も受賞したTV広告になったクマ。フランスのポップカルチャーに吸収され、ローンチから1年以上経っても使われ続けたクマ。後に「Being the Bear」というインタラクティブサイトも展開され、ユーザーが監督の視点で撮影現場を指揮できる体験も生まれたクマ。
▎余韻
クマの敷物が映画監督になるなんて、誰も思いつかないし、思いついても「バカげてる」で終わるクマ。でも、CANAL+とBETCは10本以上スクリプトを書き、クライアントを説得し、3ヶ月の特殊効果作業を経て、このバカげたアイデアを世界最高峰の広告に仕上げたクマ。「ほぼ完璧な広告作品」とまで言われるこの仕事を見ると、アイデアの強度とクラフトの執念が掛け算されたとき、何が起きるかがよく分かるクマ。クマも、こんなバカげたことを本気でやりたいクマ。
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