PHILIPS|REFURB (Better Than New)|2024|ドイツ
「新品」を売らない決断が、グランプリを取った / PHILIPS「REFURB」
新品を売らずに、リファービッシュ品だけを売る。そんな決断をグローバルテック企業が下したクマ。しかもそれがカンヌライオンズでグランプリを獲ったクマ。広告キャンペーンの枠を超えて、ビジネスモデルそのものを変えにいく。これ、ヤバいクマ。
▎背景・課題
ドイツはフィリップスにとって最大市場のひとつだけど、eコマースの返品率がめちゃめちゃ高いという課題を抱えていたクマ。毎年1,000万個以上のギフトが埋め立て地に送られ、その多くがまだ機能する製品。サステナビリティを企業の中核に据えるフィリップスにとって、この無駄は看過できない状況だったクマ。一方で消費者の38%が耐久性のある製品にお金を払う意志があり、40%がセカンドハンド製品を購入する時代。リファービッシュ品を「恥ずかしいもの」から「誇れる選択」に変える必要があったクマ。
▎ねらい・インサイト
「新しい=より良い」という常識に、正面から疑問符を投げかけたクマ。フィリップスが発見したのは、イノベーションの再定義。何世代にもわたって使える製品を設計し、返品された製品を専門チームが厳格に検査・清掃・部品交換して、新品と同じ2年保証をつける。それは技術主導ではなく、技術に支えられたサーキュラーエコノミーの実践クマ。審査委員長が「技術はシノニムではない」と語ったように、本当のイノベーションは仕組みを変えることにあると気づいたクマ。LePub Amsterdamは、フィリップスのアーカイブを掘り起こし、イタリアのアート集団TOILETPAPER(アーティストMaurizio Cattelanと写真家Pierpaolo Ferrari)とコラボして、レトロフューチャーな世界観で「リファービッシュこそ未来」というメッセージを可視化したクマ。
▎アイデア
アースデイに合わせてベルリンのテレビ塔近くで展開したAR体験が象徴的クマ。通行人がQRコードをスキャンすると、廃棄されたギフトの仮想の山が都市空間に出現する。その圧倒的な量を目の当たりにした人々は、購買習慣を見直さざるを得なくなるクマ。同時にハンブルクのポップアップストアでは、実際に製品を体験できるけど購入はバーチャルで、という「リファービッシュが未来」を体感させる場を作ったクマ。さらに「Refurb Friday」という施策では、リファービッシュ品が売り切れるまで新品を売らないという徹底ぶり。プリント、OOH、ソーシャルメディアでの展開では、TOILETPAPERの挑発的でウィットに富んだビジュアルが、ミッドセンチュリーの広告を現代に蘇らせ、「Better Than New」というコピーが脳内にこびりつくクマ。
▎展開・成果
カンヌライオンズ2024でCreative Business Transformation部門のグランプリを獲得したクマ。審査委員長Ariana Stolarzは「ビジネス、人々、世界すべてに良い」キャンペーンとして絶賛し、組織内部で製品の生産・受取・パッケージングすべてを変革する規模に驚いたと語ったクマ。実際の成果も圧巻で、5万2,000点の返品製品を販売し、185トンのe-waste削減、277トンのCO2排出削減を達成。2023年には6.7トンの素材を再利用し、1万3,000以上のリファービッシュ製品が新しい家を見つけたクマ。2025年にはClio Awardsでも3冠(Grand含む)を達成し、この取り組みが一時的なキャンペーンではなくフィリップスの恒久的なビジネスモデルになったことを証明したクマ。
▎余韻
クマが震えたのは、この施策の不可逆性クマ。「ホリデーシーズンだけ」じゃなくて、「これがフィリップスの未来の売り方」と宣言したこと。一つの市場だけじゃなく、複数の欧州市場で展開し、世界中に広がろうとしていること。広告会社が「いいキャンペーン作りました」で終わらず、クライアントの事業構造そのものを変えにいったこと。審査員が「業界全体のベンチマーク」と呼んだこと。全部が、本気クマ。LePubとTOILETPAPERが組んで作り上げた美意識も最高だけど、それ以上に、「新品を売らない勇気」を持ったフィリップスのマーケティングチームに敬意しかないクマ。こういう仕事がしたいクマ〜!
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