UN LIVE, SPOTIFY|SOUNDS RIGHT|2025|国際
自然が、アーティストになった日 / UN Live × Spotify「SOUNDS RIGHT」
2024年のアースデイ、Spotifyに「NATURE」という新人アーティストが登場したクマ。波音、鳥の声、熱帯雨林のざわめき。曲が再生されるたび、彼女はロイヤリティを受け取り、自然保護へ回すクマ。仕掛けたのはUN LiveとSpotify、AKQA Copenhagen。2025年カンヌでInnovation部門グランプリを獲った。
シーン
背景・課題
生物多様性は危機的な状況にあり、保護活動は慢性的な資金不足クマ。一方で音楽の世界は昔から波音や鳥の声といった自然音を使い続けてきたのに、自然自身が一度もクレジットされたことはなかった。この矛盾に目をつけたのがSounds Rightの出発点クマ。
ねらい・インサイト
寄付を呼びかけるのではなく、「音楽を聴く」というすでにある習慣そのものを保護活動に変えてしまう発想クマ。自然をチャリティの対象ではなく、正式なアーティストとして扱う。聴くだけで、コストゼロで支援になる。Brian Enoの「音楽は自然の音から始まった」という言葉を、そのまま経済の仕組みに落とし込んだクマ。
アイデア
NATUREはSpotifyほか各社に公式アーティストとして登録された。楽曲は環境録音そのものと、David Bowie×Brian EnoやEllie Goulding、AURORA、Hozier、V(BTS)ら多彩な顔ぶれとの「Feat. NATURE」コラボの2種類。再生されるとロイヤリティの50〜63%がNATUREの取り分となり、Brian Eno設立のEarthPercentが管理。国連の専門家パネルの指導のもと、トロピカルアンデスやアマゾンなど生物多様性の要衝の保全プロジェクトへ届けられるクマ。
展開・成果
2024年10月のCOP16で、ストリーミング収益だけからコロンビアの保全団体4団体に22万5,000ドルを拠出した。2025年、カンヌライオンズInnovation部門でグランプリを受賞。
余韻
誰も損をしない仕組みなのがいいクマ。リスナーはいつも通り聴くだけ、アーティストは自然への愛を表現でき、自然はついに報酬を受け取る側に回った。川や森や鳥が、ようやくアーティストになった日クマ。


