headspace|Reword|2017|オーストラリア
いじめっ子は、インストールするのか問題 / headspace「Reword」
送信ボタンを押す前に、赤い取り消し線が出る。ひどい言葉を打つと「本当にそれ送る?」って聞いてくる、スペルチェックのいじめ版クマ。仕組みは単純、狙いはまっすぐクマ。
シーン
背景・課題
オーストラリアでは年間46万3000人の若者がネットいじめに遭い、被害者の自傷・自殺念慮リスクは9倍に跳ね上がるクマ。それでも対策は「起きてから報告する」だけで、そもそも書かせない仕組みは存在しなかったクマ。
ねらい・インサイト
headspaceの内部テストでは、赤線が出た若者の約80%が言葉を選び直したクマ。ポイントは「書こうとした瞬間」に割り込むこと。しかも若者は指図されるのを嫌うから、自分たちで侮辱語を登録して育てられる仕組みにしたクマ。
アイデア
JavaScriptで作られたシンプルなツールで、正規表現で侮辱語をリアルタイム検知。SNSやメッセージアプリに組み込まれ、YouTube・Facebook・Twitterで使えるChrome拡張として無料公開されたクマ。ユーザー自身が言葉を追加できる点が肝クマ。
展開・成果
2校でのパイロットを経て、オーストラリア全国の「いじめ・暴力に反対する日」に合わせて学校向けにローンチ。最初の6週間で15万台にインストールされ、260校以上に広がったクマ。D&AD 2017 Wood Pencil、ADFEST 2017 Interactive Lotus Gold受賞クマ。
余韻
「いじめっ子は、インストールするのか問題」──クマも同じことを思ったクマ。ひどいことを書く人に、わざわざダウンロードさせるのは簡単じゃない。だからheadspaceは保護者や学校、政府を巻き込んで、大人が先にパソコンへ入れる道を選んだクマ。でもそれって、監視される側の子どもにどう映ったんだろう。ツールの完成度は高い。でも正しさだけじゃ人は動かない、っていう広告の真理を突きつけられた気がするクマ。


