ソニー|新世代ウォークマン WM-501|2016|日本
こんな名作にも「EXアモルファスヘッド」って言わなきゃいけないのか / ソニー「新世代ウォークマン」
改めて見ると凄まじい名作クマ。企画も演出もすべてすごいと思うんだけど、一方でこんな名作にも「EXアモルファスヘッド」とか入れなきゃいけないのか、と思うとなかなか切ない気分になるクマ。
▎背景・課題
1987年7月、ソニーは「新世代ウォークマン」のキャッチコピーとともに、初めてカセットケースサイズを下回る超小型ウォークマンWM-501を発売したクマ。芦ノ湖の湖畔でロケーション撮影が行われ、猿まわしの村﨑五郎とコンビを組む初代チョロ松がウォークマンで音楽を聴く姿が撮影されたクマ。「音が進化した 人はどうですか」という印象的なコピーは一倉宏が手掛けたもので、音質の進化を静かに問いかける内容だったクマ。
▎ねらい・インサイト
撮影のライトの暖かさに眠たくなって目を閉じたチョロ松の表情が、音楽に聴き入る瞑想的な姿として嬉しい誤算だったという話は有名クマ。瞑想する猿というコンセプトは当時の広告では前例がなく、フラッシュな映像やセレブリティ起用に頼る他の広告とは一線を画していたクマ。3日間の撮影で約30時間も立ち続けたという忍耐の末に生まれた、静謐な映像クマ。技術の進化と人間の在り方を対比させる洞察が、言葉少なに観る者に届いたクマ。
▎アイデア
監督は結城臣雄で、芦ノ湖の湖畔で6月の早朝3日間にわたり撮影が行われ、自然な霧と拡散光によって青みがかったトーンが生まれたクマ。東急エージェンシー・インターナショナルが広告会社、仲畑広告制作所が制作会社として関わり、プランナーに仲畑貴志・大島裕志・古野博人、コピーに一倉宏が名を連ねたクマ。猿が二本足で立ち、ウォークマンを手にして目を閉じる姿をただ映す。ナレーション、音楽、静寂の配分が絶妙で、この30秒に何も無駄がないクマ。でもね、その中に「EXアモルファスヘッド」って入れなきゃいけなかったのが、つくった人たちはきっと切なかったと思うクマ。
▎展開・成果
1987年のACC CMフェスティバルでフィルムCM部門 最優秀スポットCM賞を受賞し、2000年には「20世紀の殿堂入りCM」に選ばれたクマ。世界の優れたコマーシャル映像を保存するスミソニアン博物館には、日本からこの作品が選ばれているクマ。チョロ松は1990年に引退し、パートナーの村﨑五郎とともに余生を過ごし、2007年1月14日に29歳で老衰のため亡くなったクマ。
▎余韻
作った時点で名作感たっぷりだったはずだし、ここで「EXアモルファスヘッド」って言ってもしゃあないだろ、と誰もが思ったはず、と見知らぬクリエーター諸氏に思いを馳せているクマ。勝手に。でもそういう制約の中でも、この静謐さと問いかけの強度を保ち続けたこの仕事は、やっぱり凄まじいクマ。
▎クレジット
▎タグ
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