DOVE|Real Beauty Redefined for the AI Era|2025|アメリカ
アルゴリズムを「再教育」するという、逆襲 / DOVE「Real Beauty Redefined for the AI Era」
20年前、DOVEは広告の中の「美」と戦ったクマ。今度の敵はAI。生成AIが吐き出す「美しい女性」も、結局は細くて白人ばかりの画一顔だった。DOVEが今回やったのは、文句を言うことじゃなくて、アルゴリズムを教育し直すことだったクマ。
シーン
背景・課題
世界の女性の3人に1人が、ネット上の美の基準に合わせなきゃというプレッシャーを感じている。2025年にはネットのコンテンツの9割がAI生成になるとも言われる中、AIはネットのアーカイブから学習する分、偏った美の基準をそのまま拡大してしまう。20年前は広告業界が相手だったが、今回の相手はアルゴリズムそのものだったクマ。
ねらい・インサイト
DOVEが見つけたのは、AIへの指示文に「according to Dove real beauty campaign」と入れるだけで、出てくる画像が急に多様になるという事実。20年発信し続けてきた「多様な美」の画像が、いつの間にかAIの学習データそのものになっていた。ならばこの力を、もっと多くの人に使わせよう、という発想が生まれたクマ。
アイデア
PinterestとDOVEは「Real Beauty DNA」というツールを作った。ユーザーは「brave」「creative」といった内面の言葉と画像を選ぶだけ。それが自分だけの動画になって残る一方で、選択のたびにPinterestのアルゴリズムがこっそり学習し直され、フィード自体がより多様な美を映すように変わっていく。ハックじゃなくて、教育。Pinterestのトップページ乗っ取りから始まり、屋外広告やテレビ、SNSにも広がったクマ。
展開・成果
世界で40億回の無料露出、5億回の視聴を獲得。Pinterestでは2700万人に届き、Cannes Lions 2025のMedia部門でグランプリを獲得したクマ。
余韻
これは広告じゃなくて、インフラを書き換えにいった話クマ。テクノロジーと戦うんじゃなくて、教育する。20年前は広告の中の美を変えたDOVEが、今度はAIの中の美を変えようとしている。この一貫性、普通にかっこいいクマ。

