東京ガス|家族の絆・お弁当メール|2015|日本
メールのない時代のメール / 東京ガス「家族の絆・お弁当メール」
わずか90秒なのに、その場で泣いてしまったクマ。偶然テレビから流れてきて、幸運にも頭から観られて、そのまま涙が溢れたクマ。「母が作るお弁当」という、それだけで猛烈に強いマテリアルを、「メール」という今風に仕立てて見せる。口数の少ない息子へ、母が毎日作るお弁当が、一方的な、でも確かな「メッセージ」になっているクマ。
▎背景・課題
2008年から始まった東京ガス「家族の絆」シリーズの一本として、2010年9月から放映が開始されたクマ。このシリーズは料理を通して家族の真ん中にあるものを描き続けていて、毎週土曜日朝の『食彩の王国』で1年間放映される設計クマ。澤本嘉光CDは「1年間繰り返し見られる、見てもいいと思えるような耐久性があるCMにすることを意識している」と語っているクマ。本作は思春期の息子を持つ母親という、40代後半の既婚女性が最もお弁当を作っている層に向けた、極めて的確なターゲティングだったクマ。
▎ねらい・インサイト
「息子との会話が少なくなる」という台詞で始まるこのCMに、思春期の息子を持つ母親たちが「そうそう!」と共感したクマ。口数が少なくなった息子への一方的なメールとして、母はひたすらお弁当を作り続けるクマ。ハンバーグ、唐揚げ、卵焼きの「子供が好きなおかずベスト3」、おふくろの味、時には「喝(とんかつ)」弁当と、バリエーションを変えながら想いを詰めていくクマ。「お弁当箱に詰めて持たせることが、私からのメッセージ」と視聴者が語ったように、多くの人の共通の思い出に優しくリーチする手法クマ。制作者の優しい感じが徹頭徹尾貫かれているのがよく分かる作品クマ。
▎アイデア
「お弁当をメールに見立てる」というコアアイデアがシンプルで強いクマ。映像では母が毎日お弁当を作る様子と、息子がそれをどこか素っ気なく受け取る日々が続くクマ。でも最後、息子が母に「お疲れ、おかあさん」と書いた手紙を渡す瞬間で、ずっと一方通行だったメールがようやく双方向になるクマ。その瞬間、母が泣くシーンが「視聴者の方も思わず泣いてしまうCM」として高く評価されたクマ。90秒という尺の中で、時間の経過と関係性の変化を丁寧に描いた演出が光るクマ。母親役の水島かおりさんの好演も印象的だったクマ。
▎展開・成果
放映開始直後から東京ガスには「泣けた」という声が多数寄せられたクマ。2010年、天野祐吉が朝日新聞で百人以上の読者と選んだ「今年のベストCM」では、本作が群を抜いて1位に選ばれたクマ。2011年にはADFEST(アジア太平洋広告祭)フィルム部門でシルバー賞、第40回フジサンケイグループ広告大賞ではメディア部門テレビ最優秀賞とパブリック部門テレビ優秀賞を受賞クマ。ACC CMフェスティバルでは次世代クリエイターが選ぶACC賞にも選ばれたクマ。2015年5月時点で動画再生回数は500万回以上を記録し、2011年には「1分間の深イイ話」や「スッキリ!!」などテレビ番組でも取り上げられたクマ。東日本大震災後には復興や絆をイメージしたCMとして再注目され、手作り弁当を介して繋がる親子の姿で共感を呼んだクマ。
▎余韻
何度観てもいいなあ、と思うクマ。受験とか、卒業とかと同じにおいがする、あの「多くの人の共通の思い出に優しくリーチする」手法クマ。でもそれを、説教臭くなく、押し付けがましくなく、ただ淡々と母の日常として描くから、最後の一瞬がグッとくるクマ。天文学的確率の低さだと思うけど、偶然テレビから流れてきた良いCMに、偶然出会えた幸運に感謝したいクマ。こういう作品を作り続けられる業界でありたいクマ。
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