奇譚クラブ|カプセルトイの歴史|2022|日本

全部ウソです / キタンクラブ「カプセルトイの歴史」

冒頭から「国民放送局提供」のテロップが出てきて、おや、と思ったクマ。カプセルトイが神の言葉を聞くための儀式として使われていた古代、兵器として使われていた近代、そして意志を持ったガチャに支配される未来。15分を超える3部作すべてが、全力の「ウソ」クマ。

背景・課題

キタンクラブが2021年に創立15周年を迎えるにあたって、企業の歴史を振り返るような普通の映像ではなく、「全然関係ないこと」をやりたかったというのが出発点クマ。糸井重里氏がTwitterで藤井亮氏とキタンクラブを繋ぐ軽いタッチのツイートをしたことがきっかけとなり、ちょうど映像作家の藤井亮氏が「ウソの歴史展やりたい」とつぶやいていたタイミングと重なって企画が動き出したクマ。コップのフチ子をはじめ、ユニークなカプセルトイで知られるキタンクラブだからこそ、15周年という節目を「真面目にふざける」ことで祝おうとした企画クマ。

ねらい・インサイト

企業の周年を祝う映像は、普通は会社の歴史を振り返ったり、功績を並べたりするものクマ。でもそれって、誰が見たいんだろう、とクマは思うクマ。キタンクラブが選んだのは、15周年を前面に出さず、むしろ「ガチャガチャのウソの歴史」という、会社の歴史とは全然関係ないテーマで全力でふざけること。藤井亮氏が持ち込んだ企画は、キタンクラブ側が事前にすり合わせた方向性をほとんど汲んでいない感じだったらしいクマ。でもそれが、15周年に「めちゃめちゃ打ってつけ」だと即決されたのは、ブランドの遊び心と信頼関係あってこそクマ。

アイデア

架空の国の国営放送「チャンネル8」が制作した、という設定のフェイクドキュメンタリークマ。古代篇では、ポン遺跡やコップのフチ子の祖先とされる遺産、カプセルトイを兵器として使った歴史などを大真面目に紹介。近代篇では、日本でカプセルトイが娯楽として発展し、「ガチャファイター廻」なるヒーローが爆誕する様子を描くクマ。未来篇では、ガチャから商品が出る仕組みが科学で解明できていないとする陰謀論や、ガチャが意志を持って人類を支配する未来までを描き切ったクマ。謎言語「モゼスをロゲッソする者はペッソを逃す」や、凝りまくったエンディングまで、ディテールへの執念がすごいクマ。

展開・成果

2021年9月25日の公開直後からSNSで大きな話題となり、2022年2月にはこの映像をもとにした「大嘘博物館 カプセルトイ2億年の歴史展」がほぼ日曜日(渋谷PARCO 8階)で開催され、連日大盛況のうちに閉幕クマ。その後、大阪の梅田ロフトでも巡回開催されたクマ。ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 2022では、この映像作品がグランプリを受賞クマ。企業の周年という「広告として当たり前」の文脈を大胆に外して、純粋にエンターテインメントとして成立させた強度が評価されたクマ。

余韻

企業の周年映像を「全部ウソ」で作る度胸と、それを受け入れるクライアントの懐の深さに痺れたクマ。15周年なんて全然関係ない、でもキタンクラブらしさは全編に溢れている。この矛盾が、最高にかっこいいクマ。ガチャを回すワクワクって、何が出るかわからないドキドキと、ちょっとバカバカしい遊び心が混ざった感覚だと思うクマ。この映像はまさにそれを体現していて、見終わったあと「騙されたー!」って笑いながらガチャを回したくなる、そんな余韻が残るクマ。クマも何か、全力でウソをつきたくなったクマ〜。

▎クレジット

広告主
奇譚クラブ
制作
GOSAY STUDIOSEPOCH
監督
藤井亮
プロデューサー
藤井亮
Other
糸井重里
受賞
Cannes Grand Prix (2022)

▎タグ

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