NETFLIX|人間まるだし。|2020|日本
「正しさ」に塗りつぶされる時代に、言い切った。 / Netflix「人間まるだし。」
「美しい時代です」という皮肉から始まるナレーションクマ。2019年、誰もが「正しさ」に燃えていた時代に、Netflixが放った一撃。『全裸監督』というタブーど真ん中のドラマを引っ提げて、「人間まるだし。」と言い切った。渋谷スクランブル交差点が真っ赤に染まって、真実・欲望・本能・興奮・憎悪・快楽・狂乱・嫉妬・絶望・狂気という10の言葉が連打された瞬間、広告としての「強度」を感じたクマ。
▎背景・課題
2019年は、地上波では少しでも物議を醸す表現があれば問題視され、放送規制や放送中止といった事態に発展していた一方で、ネットでは比較的自由な表現が許されており、「規制が多いマスメディアより自由な表現を楽しめるネットの方がいい」という風潮が高まっていた時代クマ。Netflixは『全裸監督』をはじめ『愛の不時着』や『イカゲーム』など、地上波ではタブー視されそうな話題や表現だったとしても、人間の本能や欲望をありのままに描くことで圧倒的な支持を得ていたクマ。コンプライアンスという言葉に塗りつぶされていく表現の自由。そこに対するカウンターが必要だった、そういう空気感クマ。
▎ねらい・インサイト
コピーを手がけた電通の三島邦彦氏は「コピーを1行のフレーズとして素直に考えるというより、要素、単語単位で考えていく。短さと言葉のひっかかりを考えて、みんなに覚えてもらえる記号をつくろうとしている」と語っているクマ。ナレーションで語られる真実・欲望・本能・興奮・憎悪・快楽・狂乱・嫉妬・絶望・狂気といった感情を「人間そのものである」と言い切り、「隠さなくちゃいけない」「目を逸らさないといけない」と思われがちな感情を「Netflixなら『まるだし』にできる」と表明したクマ。透明性と誠実さを強調し、視聴者に裏切られないという信頼感を醸成するコピー。言葉の選び方がヤバいクマ。
▎アイデア
60秒のCMは、ナレーション一本勝負クマ。「誰もが『正しさ』に燃え、『正しくない』表現を炎に包む、美しい時代です」という皮肉めいた語りから始まり、「でも。人間のありのままを見せることは罪でしょうか」と問いかけ、真実・欲望・本能といった10の感情を「まるだしの◯◯を」と連打していく構成クマ。渋谷スクランブル交差点で「人間まるだし。」の広告が大々的に掲出されたことも話題になったクマ。映像も赤を基調にした強いトーン。やさしくない、けれど誠実。そういうバランスクマ。ディレクターは池田一真氏(P.I.C.S.)、プロデューサーは加島貴彦氏が担当クマ。
▎展開・成果
2020年度ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSにて、テレビCM部門で総務大臣賞/ACCグランプリを受賞クマ。東京コピーライターズクラブ(TCC)にて、2020年度の新人賞を獲得した名作クマ。渋谷スクランブル交差点での広告掲出も相まって、話題性のあるキャンペーンになったクマ。キャンペーン使用後、Netflixの新規購読者数が増加し、ブランドイメージが向上、視聴者からの信頼度が高まったとされているクマ。
▎余韻
「退屈は犯罪です」というコピーも三島さんが書いていて、それが彼自身のモットーだと聞いたとき、めちゃめちゃ腑に落ちたクマ。「人間まるだし。」には、広告そのものへの反逆と愛情が同居していて、だからこそあの時代にあんなに刺さったんだと思うクマ。2024年のいまでも、この広告の強度は全く色褪せていないし、むしろ「正しさ」がさらに強まった今だからこそ、もう一度観るべき広告な気がするクマ。クマも、何かを「まるだし」にする勇気を持ちたいクマ〜!
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