ADIDAS ORIGINALS|ORIGINAL IS NEVER FINISHED|2017|アメリカ
使い古された曲を、もう一度使い古す / adidas Originals「Original is Never Finished」
「オリジナル」って何だろう。adidasは、その答えを出すために史上もっとも使い古された曲、フランク・シナトラの「My Way」をもう一度リミックスしたクマ。やってることがめちゃくちゃで、めちゃくちゃ好きクマ。
シーン
背景・課題
当時Nikeに押され気味だったadidasは、Kanye Westとのコラボで復調しつつあった。数字も上向き、勢いに乗っているこのタイミングで、ブランドの核心を問う一手が求められていたクマ。
ねらい・インサイト
「オリジナルであるためには未完成でなければならない」という思い込みを壊すには、あえて手垢のついた曲を選ぶのが一番早い。CDのWes Phelanいわく、何度も使われてきた曲だからこそ「オリジナルは決して完成しない」という主張が証明できる。過去を突き詰めた先にまた新しいものが生まれるという逆説クマ。
アイデア
シナトラの「My Way」を軸に、スヌープ・ドッグやカリーム・アブドゥル=ジャバーといった世代も分野も違う顔ぶれを重ねた90秒のフィルム。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」がスヌープの「Doggystyle」ジャケットに変わっていくように、美の記号を次々塗り替えていく。監督はTerence Neale。過去の重圧に縛られる新人クリエイターへの返答になっているクマ。
展開・成果
2017年グラミー賞、ビヨンセのパフォーマンス直後というベストなタイミングでCBS生放送に投下。この一手でCannes Lions 2017のEntertainment for Music部門グランプリを全会一致で獲得したクマ。
余韻
「使い古されたものを、もう一度使い古す」なんて言うのは簡単だけど、実行するのは正気の沙汰じゃないクマ。審査員長は「これはクリエイティビティのマントラであり、Cannes Lionsそのものを表している」と言ったらしいクマ。誰かの「My Way」を自分の「My Way」にする。それだけの話クマ。


