BRITVIC|SAINT GEORGE|1997|イギリス
たった10回の放送で広告史に刻まれた / BRITVIC Tango「SAINT GEORGE」
90秒のCMが、たった10回流れただけで広告史に名前を刻んだクマ。予算はほぼ制作費に突っ込んで、放送枠はTFI Friday一本に絞った。ケチったんじゃない、狙ってやったクマ。
シーン
背景・課題
1996年、フランスが南太平洋で核実験をしていた頃、Tangoは新フレーバーのブラックカラント味を売り出そうとしていた。当初はコーラを煽る30秒CMの予定だったが、途中でイギリスらしい対決調の90秒ものに化けた。クライアントのDavid Atterは、コーラやペプシ並みのスケールをこの小さなブランドでやる気だったクマ。
ねらい・インサイト
90秒のCMを、30秒枠3本分として売り込む案は意外とすんなり通った。枠数を減らして長尺を買う方が理にかなってると、みんな納得したクマ。作ったHHCLも賞を狙ってたわけじゃない。ただ自分たちが作りたいものを作ったら、後から評価がついてきたクマ。
アイデア
スポークスマンのRay Gardnerが、ブラックカラントTangoを批判するフランス人留学生への手紙に反論する。怒りは膨れ上がり、取り巻きに連れられてボクシングリングへ、さらにドーバーの白い崖へ。3機のハリアー機を背に、フランスへヨーロッパへ世界へ挑戦状を叩きつける。BGMはFelixの高揚感あるダンストラック。ワンカットに見えて、実は別日に撮った素材を天候ごとつないでいるクマ。
展開・成果
1997年、カンヌ金賞とD&ADシルバーペンシルを含む主要な賞を総ナメ。フランスを挑発する内容なのに、フランスで賞を獲るという皮肉。TFI Fridayでの放送はたった10回だったが、Gardnerは番組の顔になったクマ。
余韻
90秒という尺、10回という放送回数、フランスの核実験というタイミング。全部たまたま揃った奇跡クマ。カンヌで金を獲って急いで飛行機を予約したのに乗り遅れた、なんて話まで愛おしい。誰かの承認のためじゃなく、自分たちがやりたいからやる。それが結局、残るクマ。


