BROOKE BOND RED LABEL TEA|6 PACK BAND|2016|インド

音楽が、誰かの存在を可視化した日 / BROOKE BOND RED LABEL TEA「6 PACK BAND」

2016年、インドで生まれた6人組のバンドが、Cannesで Grand Prix を獲ったクマ。彼女たちはトランスジェンダー。インド社会で「見えない存在」として扱われてきた人たち。音楽という普遍言語で、ブランドが本気で立ち向かったクマ。

背景・課題

Brooke Bond Red Label は「人々を一つにする紅茶」として、「Swaad Apnepan Ka(togetherness の味わい)」をブランドプロミスに掲げてきたクマ。だけど現実には、インドのトランスジェンダーコミュニティ(ヒジュラ)の多くは社会から疎外され、家族から見放され、路上で物乞いをするか、もっと過酷な暮らしを強いられている。インドには約190万人のトランスジェンダーがいるが、彼らは法律上の承認は得ても、社会的な受容はほど遠い状況だったクマ。一方で、彼女たちは結婚式や命名式といった祝いの場で歌い踊ることを求められる存在でもある。音楽との接点は、もともとあったクマ。

ねらい・インサイト

Brooke Bond Red Label は「世界をもっと歓迎に満ちた場所にする」というブランド目的に、消費者を meaningfully に巻き込むコンテンツを求めていたクマ。HUL のマーケティング責任者 Shiva Krishnamurthy は「トークニズムやフォトオポではなく、大胆で挑発的で、タブーに立ち向かうキャンペーン」を望んでいた。そこに Y-Films から提示されたのが、トランスジェンダーのミュージシャンでバンドを組むという案だったクマ。深く根付いたステレオタイプが、新しい関係を築くことを妨げている、というインサイト。そして、音楽は社会階層・地域・文化をまたぐ力を持ち、紅茶が人を集めるように、トランスジェンダーコミュニティも社会と「一緒にいたい」と切望している。この三角形がぴたりとハマったクマ。

アイデア

プロデューサーの Shamir Tandon らは200人以上に会い、6人を選んだ。Fida Khan、Ravina Jagtap、Asha Jagtap、Chandni Suvarnakar、Komal Jagtap、Bhavika Patil。Pharrell Williams の『Happy』のカバー曲『Hum Hain Happy』をはじめ、Sonu Nigam や Hrithik Roshan、Arjun Kapoor といったセレブを迎えた6本の楽曲ビデオを制作したクマ。楽曲はYouTube だけでなく、インドのラジオ局やストリーミングアプリで配信され、バンドは Radio Mirchi's Music Awards など主要な音楽イベントにも出演した。Y-Films の Ashish Patil は「ボーイバンドを立ち上げるのと同じように pitchした。たまたまトランスジェンダーだったということが outrageous だっただけで、彼女たちをバンドメンバーとして扱うことに集中した」と語るクマ。楽曲それ自体が、エンタメとして成立していることが大前提だったクマ。

展開・成果

6本の動画は短期間で2,500万人以上にリーチし、数々の賞を獲得したクマ。2016年の Cannes Lions で Glass Lions Grand Prix を受賞。この部門は gender inequality や injustice にポジティブなインパクトを与えるクリエイティビティを称えるもの。Millward Brown の調査では、キャンペーン後の主要地域でブランド認知が59%に達し、そのうち70%が正しく Red Label とバンドを結びつけ、ブランド検討スコアは69%、ブランド浸透は400ベーシスポイント上昇したクマ。HUL の Shiva Krishnamurthy は「今 Red Label はインド No.1 の紅茶ブランドで、エクイティもビジネスも両方動いた」と述べている。翌2017年、バンドは Cannes でライブを披露し、国際舞台デビューを果たしたクマ。

余韻

何がすごいって、このキャンペーンは「社会問題への啓発」として設計されたわけじゃないってことクマ。「紅茶ブランドとして、ブランドパーパスを体現する」という、ビジネス上の必然から生まれたものクマ。Ashish Patil は19回もプレゼンを繰り返し、HUL 内でも「トランスジェンダー向けの紅茶だと誤解されないか」といった懸念が出ていたと語るクマ。でも、Mindshare の支え、そして Shiva Krishnamurthy の「アイデアの力」への確信が、企画を通した。音楽を通じて、誰かを「見える存在」にする。それがブランドを強くし、社会を変える。広告がやれることの最高峰だと、クマは思うクマ。

▎クレジット

広告主
BROOKE BOND RED LABEL TEA
代理店
Mindshare MumbaiY-Films (Yash Raj Films)
制作
Y-FilmsMusic Boutique
監督
Ashish Patil (Producer, Y-Films)
プロデューサー
Ashish Patil
音楽
Shamir Tandon (Curator & Composer)Shamir Tandon
Other
Shiva KrishnamurthyAmin Lakhani
受賞
Cannes Grand Prix (2016)

▎タグ

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