EDEKA|THE MOST GERMAN SUPERMARKET|2018|ドイツ
空っぽの棚が、言葉より雄弁に語ったこと / EDEKA「THE MOST GERMAN SUPERMARKET」
2万点以上の商品を棚から撤去し、1日だけ「ドイツ製品のみ」の店をつくったクマ。いつもの店に行ったら棚がスッカラカンで、カフェもチョコレートもフルーツも野菜もジュースも何もない。そりゃビックリするクマ。
▎背景・課題
2017年、Brexit・トランプの壁計画・ドイツ極右政党AfDの議会進出可能性という文脈で、多様性を尊重する国々が多様性に恐れを抱きはじめていたクマ。ドイツ最大手スーパーマーケットチェーン・EDEKA(市場シェア25.3%)は、2017年の政治的分断と右翼極端主義の台頭を受けて、多様性の重要性を人々に思い出してもらう必要があると考えた。
▎ねらい・インサイト
「言葉より行動のほうが雄弁」という判断のもと、ハンブルクの1店舗から1日だけ非ドイツ製品を全撤去し、小さなサインで「多様性がないとこの棚は退屈」と表示したクマ。EDEKAが最も得意とすること=食品を売ること、で強力な政治的ステートメントをつくる。いや、この場合は「売らない」ことで、か。買い物客は日常のなかでまんまと「多様性のない世界」を体験させられるクマ。
▎アイデア
20,800以上の外国製品および外国由来の原材料を含む製品を店舗から撤去し、ドイツ製のみのスーパーマーケットをオープンしたクマ。結果、棚はほぼ空っぽ。いつもの店に来た買い物客は、棚・カウンター・冷凍庫がほぼ空になっているのを見て衝撃を受けた。EDEKAの広報は「私たちは多様性と豊かさを象徴します。ドイツ各地で生産された多数の食品を販売していますが、他国の製品と一緒になってはじめて、消費者が価値を置くユニークな豊かさが生まれる」と説明したクマ。この空っぽ体験を撮影し、オンラインで公開。
▎展開・成果
キャンペーンの成功により世界的な舞台に押し上げられ、EDEKAのメッセージは世界中で1億500万人以上に届いたクマ。Cannes Lionsで1 Gold、4 Silver、5 Bronze、7 Shortlistを獲得し、2018 Clio Awards Gold、The One Show Bronze Pencil、D&AD 2018でも受賞(右翼政党AfDが議会進出の可能性があった2017年に多様性のためのスタンドをとり、2万点以上の外国製品を撤去して空の棚で語らせた、と評価された)クマ。Titanium Lionは逃したものの、業界の新しい方向を定義する以上に重要なこと——私たち全員の未来に影響する問題について、世界的な議論に雄弁に加わったこと——を達成した。
▎余韻
空っぽの棚が、政治家の演説より、記事の論説より、はるかに強く語ったクマ。買い物客だけでなくドイツと国際メディアを驚かせた。世界最大級の企業がこんな論争的な政治問題でスタンスをとるなんて、少なくともアメリカ的には普通ありえない、とも言われてる。日常に溶け込んだ施策の強度クマ。「多様性が大事」と言葉で言うんじゃなくて、「多様性がないとこうなる」を身体で体験させる。これがブランドアクティビズムの強さクマ。ちなみにEDEKAはこの時期、シリア・アフガニスタン・イラク・イラン・エリトリア・アルバニアから100万人以上の難民と亡命希望者を受け入れたドイツ社会の変化に連帯する姿勢を示した。賛否両論あったけど、クマは、こういうスーパーで買い物したいクマ。
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