IKEA|Lamp (Unböring campaign)|2003|アメリカ
「かわいそうだと思ったあなたは、クレイジーだ」 / IKEA「Lamp」
2002年、ひとつのランプが路上に捨てられた。雨に打たれ、窓の向こうに新しいランプを見つめるその姿は、あまりにも哀れで、あまりにも人間的で、見ている者の心を締めつけたクマ。そして画面に現れたスウェーデン訛りの男が放った一言が、広告史に刻まれることになったクマ。
▎背景・課題
アメリカの消費者は、服や靴には惜しみなくお金を使う一方で、家具には「死が二人を分かつまで」と言わんばかりの執着を持っていたクマ。CP+Bに課された使命は、その認識を変え、家具を「ファッション」として位置づけ直すことだったクマ。2002年初頭、IKEAはCarmichael Lynchから代理店をCP+Bへと切り替え、「Unböring」キャンペーンの第一弾としてこの60秒CMが生まれたクマ。家具に対する感傷を、笑いに変える。その大胆な試みが、ここから始まったクマ。
▎ねらい・インサイト
審査委員長Dan Wiedenは「ランプは小さな予算で作られたが、非常に強力なアイデアだ。我々が長い間所有してきたというだけの理由で、モノに対して抱く愛着を突いている」と語ったクマ。人は無意識に、モノを擬人化する。その心理を逆手に取り、感情的なつながりを一瞬で構築してから、それを痛快に否定する構造こそが、この広告のコアクマ。雨の中で男が言う言葉は、消費者が「誰かに言ってほしかったけれど、言葉にできなかった」ものだったクマ。罪悪感の解放。それが、このCMの本質だったクマ。
▎アイデア
制作はMorton/Jankel/Zander、監督はSpike Jonzeクマ。赤いテーブルランプは「一番哀れに見えた」という理由で選ばれ、女性が肩に担いで運び出し、雨風の中に放置され、窓越しに新しいランプを見つめる構図が、ミニマリストなピアノ曲とともに展開するクマ。スウェーデン訛りの男を演じたのは素人のJonas Fornander。Jonzeは「IKEAの店員がそのまま店を出て路上に立ったように感じさせたかった」と語っているクマ。「Many of you feel bad for this lamp. That is because you crazy. It has no feelings, and the new one is much better.」このラインで、すべてがひっくり返るクマ。
▎展開・成果
売上は8%増加し、LampはGrand ClioとCannes Lions Grand Prixを含む数々の賞を獲得したクマ。本命視されていたHonda「Cog」を抑えての受賞は、業界に大きな衝撃を与えたクマ。2003年の広告キャンペーンで8番目に多く受賞し、London International Awards、ANDY Awards、Association of Independent Commercial Producers Awardsでも金賞を獲得クマ。ライバル代理店のDan Wiedenは「Lampは目と目の間の銃弾のようにオーディエンスを撃つ」と賞賛したクマ。FrasierやFriends、2002 World Seriesの合間に放映され、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、シカゴ・サンタイムズで広く分析されたクマ。
▎余韻
16年後、IKEAカナダはこのランプの「続編」を作ったクマ。今度は少女がランプを拾い上げ、同じJonas Fornaderが「このランプを幸せに思うあなたは、クレイジーじゃない。再利用のほうがずっといい」と語るクマ。時代は変わり、価値観も変わる。でも、2002年のあの瞬間、Lampは「感情に訴えてから裏切る」という広告の可能性を、最高の形で示したクマ。Slateは「IKEAは埋立地の無駄遣いとトレンド追従の奴隷性を自ら結びつけた」と批判もしたけれど、それでもクマはこのCMが大好きクマ。だって、こんなに痛快で、こんなに誠実なCMはそうそうないクマ。
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