NIKE|TAG (Play campaign)|2002|アメリカ
街全体が鬼ごっこに巻き込まれる、その光景 / NIKE「TAG」
地下鉄の駅で、鬼に追われた男が電車に飛び乗る。閉まるドアに鬼の腕が挟まって、届かない。気づけば街中の人が、一人の鬼ごっこに巻き込まれてるクマ。
シーン
背景・課題
2001年、Nikeの売上はReebokの3倍あったけど、Reebokはアレン・アイバーソンやミッシー・エリオットを起用し、NBAとも契約して攻勢をかけていたクマ。AdidasやNew Balanceも迫る中、Wieden+KennedyはDan WiedenとHal Curtis自らが手がける「Play」キャンペーンを立ち上げた。有名人を使わず、舞台は都市の日常。
ねらい・インサイト
コピーライターのMike Byrneは、遊びについてのドキュメンタリーと、空港で遊ぶ少女を見た経験からこのアイデアに辿り着いたクマ。真剣さや成果を求めるスポーツじゃなく、ただ追いかけて、逃げる。大人が忘れた遊び心。審査員のPaul Briginshawは「プロスポーツを超えて進んだ、賢い方向転換だった」と評したクマ。
アイデア
監督はFrank Budgen。都市の喧騒の中、鬼から逃げる男が地下鉄に駆け込み、鬼はドアに手を伸ばすが届かず、諦めて歩き去る——と思いきや、乗り遅れた別の男を見つけて追いかけが再開するクマ。鳩まで逃げてる。最後にswooshと「Play」の一言だけが残る。
展開・成果
2001年6月から放映され、Shaderunnerなど3本の姉妹CMも同時展開されたクマ。カンヌライオンズでグランプリを受賞し、Nikeは4年で2度目の受賞に。The Gunn Reportではその年最も受賞したCMの一つとなり、Frank Budgenは最多受賞監督、Nikeは10年ぶりにVolkswagenを退けて最多受賞ブランドとなったクマ。
余韻
大人がビルの谷間で、地下鉄で、交差点で鬼ごっこをする。バカバカしいのに、めちゃめちゃ楽しそう。「Just Do It」で真剣さを語ってきたNikeが、この一本では「遊べ」とだけ言った。その振り切り方が、色あせない理由だと思うクマ。


