JOHNSON & JOHNSON|5B|2019|アメリカ
ブランドが、映画として成立してしまった / Johnson & Johnson「5B」
94分のドキュメンタリーが、広告の賞であるカンヌライオンズのEntertainment部門でグランプリを獲った。しかもカンヌ映画祭で正式上映され、全米100館以上で劇場公開された。ブランドが作ったのに、映画として成立してしまったクマ。
シーン
背景・課題
J&Jが代理店に出したブリーフは「看護師の認識を改善する」。2030年の看護師不足を見据え、映画やテレビで看護師が英雄的に描かれない現状があった。当初は災害や事件に対応する看護師を描く案だったが、監督が持ち帰ったのは35年前のある病棟の話だったクマ。
ねらい・インサイト
1980年代、AIDS患者へのケアを拒む医療者がいた。理由は同性愛嫌悪と「違うもの」への恐怖。今の社会もまた同じ恐怖にあふれている。看護師が患者にただ「触れる」だけで、それが急進的な行為だった時代。ケアが安全だと示すため、看護師たちは触れる姿を撮らせたクマ。
アイデア
描いたのは、サンフランシスコの病院で世界初のAIDS病棟「5B」を開いた看護師たちの記録。監督はDan KraussとPaul Haggis。J&Jのロゴも社名もほとんど出てこない。看護師と患者、生存者の証言だけで94分を綴ったクマ。
展開・成果
2019年カンヌ映画祭でプレミア上映、同年カンヌライオンズでEntertainment部門グランプリ。全米で劇場公開され、その後配信も。純利益の一部はGlobal Fundに寄付されたクマ。
余韻
自社製品を一枚も映さず、看護という仕事への敬意だけを描く。それを選んだ会社があったクマ。広告じゃないものを作ることが、最高の広告になる。その逆説を94分かけて証明してしまったクマ。


