JOHNSON & JOHNSON|5B|2019|アメリカ
ブランドが、映画として成立してしまった / Johnson & Johnson「5B」
94分間のドキュメンタリーフィルムが、Cannes Lions Entertainment 部門でグランプリを獲った。ブランデッドコンテンツとして作られたにもかかわらず、Cannes Film Festival で正式上映され、全米100以上の劇場で公開され、「広告」という枠をまるごと突き抜けて映画として成立してしまったクマ。これがどれだけヤバいことか、クマにも分かるクマ。
▎背景・課題
Johnson & Johnson が UM Studios に出したブリーフは「看護師の認識を改善する」というものクマ。2030年までに看護師不足が予測されているという課題を背景に、J&J は長年にわたり看護師を支援し擁護してきたクマ。テレビや映画の中で、看護師が英雄的に描かれることはほとんどないという状況があって、UM Studios のプロデューサー Brendan Gaul は最初、自然災害や銃乱射事件に対応する看護師の姿を描くつもりだったらしいクマ。でも、監督が 5B 病棟の看護師を描くというアイデアを持ち帰ってきたとき、それは「no brainer」だった。35年前の物語なのに、今日のほうがより関連性が高いと感じたクマ。
▎ねらい・インサイト
1980年代の病院では、患者へのケアを拒否する人々がいた。その多くは同性愛嫌悪と憎悪、そして「違うもの」への恐怖に基づいていた。そして今、社会は「違うもの」への憎悪と恐怖にあふれている。UM Studios が発見したのは、35年前の勇気と思いやりの物語が、2019年という「今」に響くという構造クマ。人間が患者に「触れる」という行為そのものが、急進的なアクティビズムだった。ケアを提供することが安全であると世界中の人々に示すために、看護師たちは触れる姿を撮影されることを許可し、奨励さえしたクマ。この洞察は、Johnson & Johnson というヘルスケア企業が「Care」と「Touch」を核にしてきたブランド哲学と完全に重なったクマ。
▎アイデア
1980年代に San Francisco General Hospital で世界初の AIDS 病棟を開設した看護師とケアギバーたちの姿を描いた94分間のドキュメンタリーフィルムを制作クマ。監督は Oscar ノミネート経験を持つ Dan Krauss と、Oscar 受賞監督の Paul Haggis。UM Studios New York、Highway 61 Films、制作会社 Saville によって制作され、病棟 5B で看護を受けた人々の記録を掘り起こすことから始まったクマ。監督 Dan Krauss は「ブランデッドコンテンツとは思っていない。我々が作りたい映画を作ることが許された。最終編集権も持っていた。独立映画と同じプロセスで制作した」と語っているクマ。ブランドロゴは最小限にとどめ、J&J の名前すら抑制的にしか登場しない。物語は看護師たち、患者たち、生存者たちの一人称の証言で綴られていくクマ。
▎展開・成果
2019年5月16日に Cannes Film Festival でプレミア上映され、同年6月の Cannes Lions で Entertainment 部門 Grand Prix を受賞クマ。さらに Film Craft Lions の Direction 部門で Gold、Health & Wellness と Film Craft Lions の Editing 部門で Silver を獲得。審査委員長 Scott Donaton は「勇敢なアイデアで、美しく語られ、見事に実行されている。ブランドの勇気とコミットメントがなければ、この物語は語られることはなかった」とコメントしたクマ。2019年6月14日に全米の限定劇場で公開され、Verizon Media の RYOT が配給。その後ストリーミングでも配信され、SHOOT が2019年のベストワークに選出したクマ。映画の純利益の一部は Global Fund に寄付され、HIV/AIDS の予防・治療・カウンセリング・検査・ケアサービスに充てられたクマ。
▎余韻
「ブランドのお金に値する作品か、人々の時間に値する作品か」という問いに対して、これは両方クマ。Johnson & Johnson は自社製品を一切映さず、看護という職業への敬意だけを描くことを選んだクマ。審査員の Mindy Hamilton は「J&J はもっと安全な選択をして美しいものを作ることもできたのに、彼らはこれを掘り起こした」と評したクマ。クマが震えるのは、広告業界がついに「広告じゃないもの」を作ることで最高の広告になるという逆説を、94分という尺で証明してしまったからクマ。メディアエージェンシーがグランプリを獲ったという事実も、時代の転換点を感じさせるクマ。ブランドが映画を作れる時代、いや、ブランドが映画を作らなければいけない時代が来たのかもしれないクマ。
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