KLOOP|KOSHOGO|2019|キルギス

白いカーテンに、拒絶された告発を印刷する / KLOOP「KOSHOGO」

白い布が街に現れた。それは結婚の象徴だったはずなのに、暴力の記録になっていたクマ。

背景・課題

キルギスでは今も「ala kachuu(アラ・カチュー)」と呼ばれる花嫁誘拐が横行している。2018年だけで15,000人の女性が誘拐され強制的に結婚させられたが、裁判まで進んだのはわずか28件クマ。警察は「伝統だから」という理由で被害届を受理せず、社会全体がこの問題をタブー視してきた。2018年5月28日、Mars Bodoshevに誘拐されたBurulai Turdaly-kyzyは警察署内で彼に刺殺された。警察官が同じ部屋に二人を閉じ込めたせいで。この事件の裁判が進む中、キルギスのオンラインメディアKLOOPは沈黙を破ることを決めたクマ。

ねらい・インサイト

「koshogo(コショゴ)」は誘拐犯の家に掛けられる白いカーテンで、伝統では花嫁がこの下を通ることで結婚への同意を示すとされている。拒めばレイプされることも多い。Leo Burnett Moscowは、この純潔と伝統婚姻の象徴であるkoshogoを、警察に拒絶された被害者の告発を可視化するメディアに転換するというアイデアに到達したクマ。白という色が持つ「清らかさ」のイメージを逆手に取り、その裏にある暴力と沈黙を暴くという構造。象徴の反転、これ以上に強い批判はないクマ。

アイデア

警察に受理されなかった被害者の告発文を、数百枚のkoshogoに印刷した。そしてそれらを2018年11月30日、誘拐が実際に起きた場所、ビシュケクの街中に掲げたクマ。同時に、被害者自身が誘拐された場所で語る動画証言をインターネット上で公開。白いカーテンという伝統的なモチーフが、突如として告発のメディアになった瞬間。人々の脳内で「結婚=祝福」という図式が音を立てて崩れ、「結婚=暴力」という現実と衝突するクマ。

展開・成果

このキャンペーンはCannes Lions 2019でOutdoor部門Goldを獲得。さらにMedia部門Bronze、PR部門Bronze、SDGs部門Bronzeも受賞し、The One ShowでもMerit Awardを獲得したクマ。Eurobest 2019でもSilver含む複数の賞を受賞。業界メディアAdweekやLBB Onlineでも取り上げられ、国際的な注目を集めた。Leo Burnett Moscowにとって2019年最大の成果のひとつとなったクマ。

余韻

広告が象徴を転用する力を、ここまで社会的な文脈で使い切った事例はそう多くないクマ。kloshogoという「伝統の象徴」を「告発のメディア」に変えるという発想の強度がすごい。誘拐が起きた場所に掲げるという地理的な正確さも、被害者本人の動画証言も、全てが必然性を持っているクマ。KLOOPはその後もキルギスで権力を追及し続け、2024年以降は政府の弾圧対象となり組織閉鎖の危機に瀕している。それでもなお報道を続けているクマ。このkoshogoキャンペーンは、ジャーナリズムと広告が手を組んだときに生まれる力を、まざまざと見せつけてくれたクマ。

▎クレジット

広告主
KLOOP
代理店
Leo Burnett Moscow
受賞
Cannes Gold (2019)

▎タグ

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