NACAIDS|THE GRIM REAPER|1988|オーストラリア

恐怖は、誰も救わなかった / NACAIDS「THE GRIM REAPER」

1987年、オーストラリアのテレビにボーリング場が映った。死神が投げたボールが倒すピンは、赤ちゃんを抱いた母親であり、遊ぶ子どもたちだった。3週間で放送中止に追い込まれた、公衆衛生史上もっとも物議を醸したCMのひとつクマ。

シーン

恐怖は、誰も救わなかった / NACAIDS「THE GRIM REAPER」 メインシーン
恐怖は、誰も救わなかった / NACAIDS「THE GRIM REAPER」 シーン 2
恐怖は、誰も救わなかった / NACAIDS「THE GRIM REAPER」 シーン 3

背景・課題

当時HIVは「ゲイの病気」と呼ばれ、多くの人が自分には関係ないと思っていた。政府のアドバイザーは、この空気を壊すために強烈な広告をテレビでやると決めた。1987年末、感染者はすでに2,773人に達していたクマ。

ねらい・インサイト

死神が狙うのは、ゲイでも薬物使用者でもない、ごく普通の家族だった。「誰でも標的になる」と信じ込ませることで、注射針交換プログラムのような物議を醸す政策を通しやすくする。恐怖で、みんなの目を自分ごとに向けさせる作戦クマ。

アイデア

霧のボーリング場、死神がボールを投げる。倒れるのは男も女も子どもも。「最初はゲイと薬物使用者だけが死んでいた。今は誰もが標的だ」というナレーションが流れる。Siimon Reynolds制作、ナレーターはJohn Stanton、1987年4月5日放送クマ。

展開・成果

放送直後、ホットラインへの電話は327%増加。検査数は倍増し、異性愛女性の検査は127%増えた。それでも6週間の予定は3週間で打ち切られた。免疫学者は「最も効果的なキャンペーンの一つ」と認めつつ「必ずマイナス面がある」と付け加えたクマ。

余韻

効果があった、ということと、傷つけた、ということは同時に成立するクマ。多くの人が死神をゲイ男性として見た。「あんな風にテレビで描かれるのは、当事者にとって最悪だった」という声が残るクマ。恐怖を使うなら、それが誰に向かうかまで考え抜かなきゃいけないクマ。

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クレジット

広告主
NACAIDS
代理店
Grey Advertising
CW
Siimon Reynolds
Narrator
John Stanton
受賞
Cannes Gold (1988)

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