NIKE|DRIVING RANGE|2000|アメリカ
彼がいなくなった瞬間、全員スライスした / NIKE「DRIVING RANGE」
タイガー・ウッズがドライビングレンジを歩くだけで、周りの素人たちのスイングが次々と完璧になっていくクマ。でも彼が立ち去った瞬間、全員スパーンとスライスする。この落差だけで笑えるクマ。
シーン
背景・課題
1990年代後半、ナイキゴルフはタイガー・ウッズという圧倒的な才能をどう広告に落とし込むかを模索していた。セリフなし、ナレーションなしで彼の「別格さ」を伝える表現が繰り返し模索されていた時期にあたる。
ねらい・インサイト
タイガーの凄さを数字や解説で語っても伝わらない。だったら、彼の存在がただの練習場にいる凡人たちにまで伝染する様子を見せればいい、という発想クマ。本人が喋らなくても、周りのリアクションだけで格の違いが伝わる仕掛けクマ。
アイデア
ドライビングレンジに現れたウッズが一打放つと、居合わせた一般ゴルファーたちが次々と見事なスイングで打ち始める。まるで彼のオーラが伝染したかのような画。ところが彼がボールを拾って立ち去ると、全員が元の下手なスイングに戻り、ボールはあちこちに飛び散ってしまう。セリフは一切ない、動きだけで語る構成クマ。
展開・成果
やんちゃな見せ方で、台詞なしの演出が特徴とされ、彼がいる間はうまく打てていた人々が、去った途端にスライスし始める様子が描かれた。なお、この撮影の合間、長時間の待ち時間にウッズが余興として披露したボール・ジャグリングが、後に別の伝説的CMを生むきっかけになったという逸話も残っている。2000年のEmmy賞でOutstanding Commercialを受賞した。
余韻
本編のオチがオチとして完璧すぎて、「撮影の合間の暇つぶし」から生まれた別のCMの方が後世に語り継がれているというのも、なんだかタイガーらしいクマ。でもこっちの、誰もいなくなったら全員スライスする画、クマは普通にめちゃくちゃ好きクマ。


