SMIRNOFF|TEA PARTAY|2007|アメリカ
予算がないから、YouTubeに賭けた / SMIRNOFF「TEA PARTAY」
予算もテレビ枠もない新商品の発売に、BBHが選んだのはラップのパロディ動画だった。公開から数日で100万人に届いたクマ。
シーン
背景・課題
新商品「Smirnoff Raw Tea」は、ニューイングランドの夏市場限定のテストマーケティング案件。予算が小さく、テレビCMへの投資は現実的ではなかった。代理店BBH New Yorkは、テレビ以外の届け方を探ることになった。
ねらい・インサイト
お茶という上品なイメージと、ラップという荒っぽい音楽フォーマットをぶつけたら面白いんじゃないか、という発想が出発点クマ。裕福な白人の若者文化とヒップホップという、本来交わらないもの同士の衝突が笑いを生む構造クマ。予算の少なさを逆手に取り、当時まだ使い道の定まっていなかったYouTubeに懸けた判断も冴えていたクマ。
アイデア
裕福な東海岸の若者たちが、信託財産やブランド物の靴を自慢げにラップで歌い上げるという徹底したパロディ。架空のバンド「Prep-Unit(P-Unit)」が、パステルカラーの服を着て本物のミュージックビデオさながらに踊る。監督にはヒップホップ系PVを手がけてきたJulien Christian Lutzを起用し、パロディに本物らしい説得力を持たせた。
展開・成果
公開直後からアクセスが殺到し、担当クリエイティブディレクターのKevin Roddyは、当時としては異例の速さで数日のうちに100万人規模に届いたと振り返っている。公開から5カ月で200万再生を超え、主要新聞やテレビの情報番組でも取り上げられた。カンヌライオンズでゴールドを獲得し、翌年には西海岸版の続編も制作された。
余韻
ジョークの中身はシンプル、むしろ一発ギャグに近いクマ。でもその軽さこそが、テレビに頼らずネットだけで広がっていく時代の入り口を切り開いたクマ。予算がないから仕方なくYouTubeに置いた、という話が、後に「バイラル動画」というジャンルそのものの原型になったというのがたまらなく愉快クマ。

