SONY|PLAY-DOH|2008|イギリス
2.5トンの粘土が、ニューヨークを占拠した / Sony BRAVIA「PLAY-DOH」
うさぎが、街を埋め尽くしていくクマ。しかもこれ、CGじゃないクマ。全部ストップモーションクマ。正気じゃないクマ。
▎背景・課題
2005年に登場したSONYの液晶テレビBRAVIA(Best Resolution Audio Visual Integrated Architectureの略)を世に広めるため、Fallon Londonが手がけた「Colour Like No Other」キャンペーンの第3弾クマ。第1弾の「Balls」は25万個のカラフルなゴムボールをサンフランシスコの坂道から転がし落とす内容で、CGを使わない実写撮影が話題を呼んだクマ。続く第2弾「Paint」は2006年、グラスゴーの取り壊し予定の集合住宅を多色の塗料爆発で彩る内容で、こちらも大成功を収めていたクマ。シリーズとして「現実でやりきる」というDNAが既に確立されていて、3本目でどう攻めるか、相当なプレッシャーがあったはずクマ。
▎ねらい・インサイト
「史上最も野心的なストップモーションアニメーション」と業界で評されたこの企画、狙いは明快クマ。前2作で培った「CGに頼らない実写の驚き」という資産を、今度は「手作業の温度」と掛け合わせることクマ。200匹のうさぎが最終的に30フィート(約9m)の巨大うさぎに合体するというビジュアルは、デジタル全盛の時代にあえてアナログの極致を見せつける、ある種の挑戦状だったと思うクマ。楽曲にThe Rolling Stonesの「She's a Rainbow」を選んだのも、色彩の多様性とブランドメッセージを自然に重ねる絶妙なチョイスクマ。
▎アイデア
3週間にわたる撮影で、40人のアニメーターが投入され、2.5トンのプラスティシン(粘土)が使われたクマ。ニューヨークの街角で撮影され、排水溝やゴミ箱、車の下から次々と現れたうさぎたちが数百、数千と集まり、紫色の波になり、氷山に変わり、赤いクジラが現れ、クジラの尾が巨大うさぎへと変身するという展開クマ。各シーケンスの各フレームごとに別々のうさぎモデルを作り、撮影前に入念にリハーサルを重ねたクマ。同じモデルを異なる位置に配置して再利用することで、大量のうさぎを効率的に表現したのも職人技クマ。監督はDarren WalshとFrank Budgen、制作はPassion Picturesが担当したクマ。
▎展開・成果
2008年にBritish Animation Awardsで最優秀コマーシャル監督賞を受賞し、The One ShowでもBronze Pencilを獲得したクマ。公開前から「アワードショーでの大勝利が確実」と業界で期待されていた作品で、その期待通りの評価を得たクマ。「Colour Like No Other」シリーズはこの作品で完結し、Fallonのグループアカウントディレクターは「Ballsは色がすべてだった。colour like no otherシリーズは終わった。今度はモーションだ」とコメントしているクマ。ひとつの時代が幕を閉じた瞬間だったクマ。
▎余韻
クマ、このシリーズ全部好きだけど、この3本目が一番好きかもしれないクマ。CGでやれば一瞬なのに、わざわざ3週間かけて40人で粘土をこねくり回す。その「わざわざ」に宿る狂気と愛情が、画面から滲み出てくるクマ。デジタル技術が進化すればするほど、こういう「人間の手でやりきる」ことの価値は上がっていくと思うクマ。2026年の今見ても、いや、今見るからこそ、グッとくるものがあるクマ。手を動かし続けたい、とクマは思うクマ。
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