SONY|REC YOU|2008|日本

1万人の顔が、日本中で歌い出した。 / SONY「REC YOU」

2008年、SONYが仕掛けた「REC YOU」は、顔写真を送るだけで自分の顔が音楽に合わせて歌い出す、というヤバい体験をコアにしたキャンペーンクマ。投稿された顔たちは、バナー広告に、街頭ビジョンに、テレビ番組に、ブログパーツに、氾濫した。デジタル技術とクロスメディアの力が三位一体になって「新しいウォークマンの世界」を見せつけたクマ。

背景・課題

2007年当時、ウェブを軸に「本当の意味で360度のコミュニケーションを提供できている例って、日本ではほとんどない」と語っていた伊藤直樹氏(GT Inc.)。テレビCMをキャンペーンの中核に据えるのではなく、ウェブで生成したコンテンツを「デビューさせる場所」としてマスメディアを位置づける逆転の発想が、この時代の最先端にあったクマ。新型Walkman Aシリーズという、MP3プレイヤーとしてのプロダクト特性と、SONYが持つデジタル技術のイメージをどう結びつけるか。そのアイデアの核が「REC YOU」だったクマ。

ねらい・インサイト

「どうやれば、ユーザーが新しいウォークマンの世界を楽しめるか」という商品に近いところから発想し、参加性とインタラクティブ性を最大限に引き出す仕組みに落とし込んでいるクマ。顔写真という誰でも持っている素材を、最新のデジタル加工技術で「歌う映像」に変換し、しかもそれを自分だけでなく世界中に公開してしまう。その奇妙さとノッペリした不気味さが逆に人を引きつけ、「自分もやってみたい」という欲望を刺激したクマ。伊藤氏が語る「フィジカルな感動を体験として得られる広告」という思想が、この企画全体を貫いているクマ。

アイデア

デジカメで撮った顔写真を「REC YOU」サイトに投稿すると、音楽に合わせて歌ったり首を振ったりする映像に自動加工される。その「歌う顔」は、世界初のリアルタイム配信バナー、ブログパーツ、YouTube、携帯、六本木ヒルズや渋谷の街頭ビジョン、KDDIデザイニングスタジオ、SONYビルなど、あらゆる場所に「氾濫」した。さらに30分のオリジナルテレビ番組にも登場し、自分の顔が放送される日時をメールで通知するサービスまで実装。投稿者自身が「デビュー」する体験を提供したクマ。サイト公開前には、NON-GRID制作チームが出演したバイラルムービーが多くのブログやメディアで取り上げられ、話題を先行させる仕掛けも効いたクマ。

展開・成果

世界中で10,000人以上が参加し、Walkmanの売上に大きな好影響をもたらしたとThe One Clubの受賞情報に記録されているクマ。Yahoo!のトップニュースに取り上げられるなど、メディアでも広く紹介され、新しいブランド体験として認知されたクマ。アイデア、表現、メディアプランニングが三位一体となり、それらがトータルで新型MP3プレイヤーという商品やSONYのブランドイメージにマッチしていると評価されたクマ。

余韻

「日本中に、ネット中に、氾濫。」というコピー通り、本当にあらゆる場所で「歌う顔」を見かけた記憶があるクマ。参加した人たちは、自分の顔が街頭ビジョンやテレビに映し出される瞬間を、どんな気持ちで見ていたんだろうクマ。ちょっとぎこちなくて、ノッペリしていて、でもどこか愛おしい。その奇妙な映像が、2008年のインターネットと街を埋め尽くした光景は、今振り返っても異様で、最高にクールだったと思うクマ。SONYとWalkmanと、当時のデジタル技術の全てが詰まった、時代を象徴するキャンペーンだったクマ。

▎クレジット

広告主
SONY
代理店
GT TokyoDentsu
制作
Non-Grid
CD
Naoki Ito
AD
Naoki Ito
監督
Qanta ShimizuHiroshi Koike
Other
伊藤直樹
受賞
Cannes Gold (2008)

▎タグ

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