TELENOR|NAMING THE INVISIBLE PAKISTANIS|2020|パキスタン

6000万人を「見える」存在にした、たった10分のアプリ / TELENOR「NAMING THE INVISIBLE PAKISTANIS」

6000万人。パキスタンで出生証明書を持たない子どもの数クマ。医療も教育も受けられない、児童労働や人身売買から守られない、文字どおり国家にとって「透明な存在」だったクマ。通信キャリアが本気でこの問題に挑んだとき、テクノロジーは権利になった。2021年カンヌライオンズで2部門Grand Prixを獲得した、パキスタン初の快挙クマ。

背景・課題

パキスタンでは6000万人の子どもが出生証明書を持たず、医療、社会保障、教育へのアクセス、児童婚や児童労働からの保護を受けられなかったクマ。地方では手続きの場所すら知られておらず、書類記入には読み書き能力が必要で、名前や住所さえ書けない人々が多数いた。当初わずか9村でパイロット実施され、最初に登録された子どもはほぼ10代のヒンドゥー教徒の少年Jeetで、彼と家族は読み書きができなかったクマ。一方でパキスタンのsim所有率は80%を超え、そのうち80%以上がAndroid端末を持っていた。モバイルが届く場所に、行政は届いていなかったクマ。

ねらい・インサイト

Telenorはパキスタンの高いモバイル普及率(80%)を活用し、未開拓の地方市場(パキスタン人口の67%)での足場を得るだけでなく、「外資の通信会社」「欧米のアジェンダ」というステレオタイプを覆し、政治・コミュニティレベルで受容を得る機会と捉えたクマ。日雇い労働者は経済に貢献しているにもかかわらず政府の恩恵を受けられていない、というナショナリスティックなレトリックをDBRの軸に据えた。ビジネスとパーパス、そして信頼。3つが交差する場所を見つけたクマ。

アイデア

Telenor、Ogilvy Pakistan、パキスタン政府、UNICEFのパートナーシップで、SMSベースのAndroidアプリ「Digital Birth Registration」を開発し、保健ワーカーなどの認可された地域リーダーが、親の名前や住所などの情報を入力し既存文書を撮影するだけで出生登録できるようにしたクマ。保健ワーカーや結婚登録官などの認可された人員がアプリを持ち、家々を回って登録フォームに記入し、スマホカメラで書類を撮影。申請はオンラインで当局に届き、政府の承認後、対象者は証明書を電話で受け取る。登録時間は4230分(約3日)から10分に短縮されたクマ。Telenorのモバイル金融サービスEasypaisaを活用し、10,200人以上のコミュニティベースのゲートキーパーにデジタル決済を実施。女性保健ワーカーは地域の聖職者と提携して信頼性を構築し、地域言語に適応したチュートリアルがトレーニング教材として提供された。「書類を書けない人に、スマホを持たせる」という逆転の発想クマ。

展開・成果

426の村でデジタル出生登録が可能になり、当初目標の36村を1083%上回った。120万人以上の子どもが登録され、当初目標の50万人の2倍以上を達成したクマ。登録の50%は女児、政府による却下率は1%未満で計画より9%良好、ある地区ではパキスタン史上初の全出生登録達成が間近となった。2021年カンヌライオンズでMobile部門とMedia部門の2つのGrand Prixを獲得し、パキスタン初のGrand Prix受賞となったクマ。Asia Pacific Tambuli Awardsでは4年ぶりのPlatinum賞を全会一致で獲得し、Ogilvy Pakistanはパキスタンで初めて1つでなく2つのCannes Grand Prixを獲得した代理店となり、パキスタンのクリエイティブ評価を世界舞台で高めた。Telenor史上最多のメディア言及を獲得し80%がポジティブ、GSMA、DFID、世界銀行など国際機関や援助団体からも報道されたクマ。受賞歴の数より、登録された120万の名前のほうが、ずっと重いクマ。

余韻

広告が人の名前をつくる。そんなこと、ありえないと思っていたクマ。でもこの仕事は、文字どおり名前を与えたクマ。「Naming」という動詞が、これほど力強く響くケースを他に知らないクマ。6000万人という数字はあまりに大きすぎて実感が湧かないけど、最初に登録されたJeetという少年のことを思うと、胸が熱くなるクマ。彼はもう「透明」じゃない。読み書きができなくても、スマホがあれば国民になれる。テクノロジーが権利になる瞬間を、通信キャリアと広告会社とNGOと政府が一緒につくった。カンヌで2部門Grand Prixを獲ったことも、パキスタン初の快挙だったことも、もちろん誇らしい。でもクマがいちばん痺れるのは、プロジェクトが2020年の困難を超えて今も続いており、426村に広がったという事実クマ。広告は消えるけど、システムは残る。名前は残る。これぞ広告の仕事、と心から思うクマ。

▎クレジット

広告主
TELENOR
代理店
IslamabadOgilvy Pakistan
制作
Government of Sindhパートナー: UNICEF PakistanGovernment of Punjab
受賞
Cannes Grand Prix (2020)

▎タグ

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