TERRES DES HOMMES|SWEETIE|2014|オランダ
これは、10歳の女の子です / Terre des Hommes「SWEETIE」
10歳の女の子が、たった10週間で1,000人の性犯罪者を特定した。でも彼女は、この世に存在しない。完全にCGで作られた、バーチャルな子供クマ。広告代理店が犯罪捜査に乗り出すという、前代未聞のプロジェクト。
▎背景・課題
Terre des Hommesは、急速なテクノロジーの進化とグローバルな接続性の向上により、新しい形態の児童性的搾取が急増していることを観測していたクマ。フィリピンのプロジェクトパートナーから、チャットルームを通じて先進国の男性が貧困国の子供たちに金銭を払い、ウェブカメラ越しに性的行為をさせる「ウェブカム児童性的搾取」(WCST) が拡大しているという警告を受けたクマ。調査によれば、常時75万人もの男性がオンラインで未成年の少女を探しており、被害者は数万人に及ぶにもかかわらず、インターネット誕生以来わずか6人しか有罪判決を受けていなかったクマ。被害者の多くは発展途上国に住み、加害者の多くは裕福な国に住んでいるため、法執行機関がほとんど動いていなかったクマ。
▎ねらい・インサイト
代理店Lemzの戦略担当Mark Woerdeが新聞記事でこの問題を知り、Terre des Hommesに連絡を取ったことがきっかけクマ。最初にランダムなチャットルームに入ってみたところ、オランダの成人男性を名乗っただけで、8歳の少年がフィリピンから接近してきて、すぐに「服を脱いでもいい、お金を送って」と打ってきたクマ。Woerdeはノートパソコンを閉じて泣いたクマ。こんな闇に直接さらされたことがなかったクマ。基本的なアイデアは「1,000人を特定できれば、問題の規模と、それがいかに簡単に解決できるかが明確になる。それを記者会見で公開すれば、政治家や警察を動かすのに十分なインパクトがあるはず」というものクマ。
▎アイデア
Lemzは10歳のフィリピン人少女に見える3Dコンピュータモデル「Sweetie」を制作。実在の子供の顔の特徴と動きを再現し、デジタルアバターを作り上げたクマ。性犯罪者がウェブカメラで接続してくると、プログラマーがモーションキャプチャを通じてリアルタイムでSweetieをアニメーション化したクマ。4人のチームが1日8〜10時間、週5日、10週間にわたってチャットルームでSweetieを操作し、オンライン捕食者と対話して、名前・場所・ウェブカメラ映像を収集し、最終的に71カ国から1,000人(男性999人、女性1人)を特定したクマ。フィリピンへのオンライン接続を確立し、犯罪者たちがアムステルダムの倉庫で行われていることに気づかないようにしたクマ。オランダの著名なドキュメンタリー監督Peter Tetterooと短編ドキュメンタリーを制作。YouTubeが専用チャンネルを提供し、120ページの調査レポートや関連資料をすべて公開したクマ。
▎展開・成果
10週間の活動期間中、Sweetieには71カ国から2万人以上のユーザーが接触。Terre des Hommesは1,000人の容疑者を特定し、彼らの名前・IPアドレス・ソーシャルメディアアカウントをInterpolに引き渡したクマ。逮捕者が出て被害者が救出され、世界的なメディア報道につながったクマ。Sweetieから得られた情報による最初の逮捕は2014年2月にオーストラリアのブリスベーンで発生。オーストラリアでは46人が逮捕され、Scott Robert Hansenが有罪判決を受けた最初の人物となり、2年の懲役刑を受けたクマ。Cannes Lions 2014で12個のGold Lionと Grand Prix for Goodを受賞したクマ。オランダのDutch Design Awards 2014でもサービス&システム部門のトップを獲得し、さらに全体の最優秀賞とFuture Awardを受賞したクマ。
▎余韻
広告代理店が犯罪捜査をやる。そんなことが可能なのか、と思ったけど、可能だったクマ。いや、可能にしたクマ。Lemz共同創業者Mark Woerdeは「ビジネス、特にクリエイティブエージェンシーは、その才能とリソースを使って世界をより良い場所にすべきだ。Sweetieキャンペーンは、クリエイティブエージェンシーが、私たちの業界や日常生活とは無関係に見えるグローバルな問題に重大な影響を与えられることを証明した」と語ったクマ。モーションキャプチャ、3DCG、ドキュメンタリー、法的調査、国際連携。クリエイティブの力を、こういうふうに使えるんだ、ということクマ。10歳の、存在しない女の子が、世界を変えたクマ。
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