VOLVO|LIFE ON BOARD PROJECT|2005|オランダ
「人生」を語らせたら、勝手に車が売れた / VOLVO「LIFE ON BOARD PROJECT」
2005年、Volvoは広告の歴史を変える賭けに出たクマ。商品を語らせず、人生を語らせた。それが、Cannes Lions史上初のTitanium Lionを獲得することになるクマ。
▎背景・課題
2000年代初頭、Volvoは深刻なブランド課題を抱えていたクマ。「安全だけど、退屈」「四角くてダサい」という認識が定着し、若い世代からは完全にスルーされていたクマ。新しいS60やV70で「セクシーでスポーティ」な方向へ舵を切ったものの、従来の自動車広告フォーミュラでは誰も振り向かない。そこでVolvoと代理店FUEL Europeは、まったく新しいアプローチを模索することになったクマ。
▎ねらい・インサイト
彼らが到達したインサイトはシンプルで、でも深いクマ。「Cars are driven by people(車は人が運転するもの)」。これはVolvoの原点でもあったクマ。車の中で人々が何を感じ、何を語り、どんな人生を生きているのか——その「体験」こそが、安全性能や快適性よりも強く人を動かすと気づいたクマ。だから、商品を売り込むのをやめて、「人生そのもの」を見せることにしたクマ。
▎アイデア
世界中から「人生に向き合ってきた人々」を探し出し、二人ずつVolvoに乗せて旅をさせ、その会話をドキュメンタリーとして撮影したクマ。サメに襲われながらもサーフィンに戻った14歳のチャンピオン、Bethany Hamiltonと騎手のGreta Kuntzweiler。ホームレスから億万長者になったChris Gardnerと「運の科学」を研究する心理学者Richard Wiseman。工業デザイナーLuigi ColaniとアーティストLucy Ortaなど、複数の組み合わせを用意したクマ。監督にはRoman Coppola、Lance Bangs、Remy Belvauxら一流の映像作家を起用し、本物の会話を収録。深刻な話題から軽い話まで、すべてがリアルクマ。そしてこれらを22言語に展開可能なインタラクティブサイトで公開。3Dレンダリングされた都市をナビゲートしながら、テキスト・写真・動画を自由に探索できる設計にしたクマ。
▎展開・成果
キャンペーンはヨーロッパとアジア全域で展開され、S60、XC70、V70などの全ラインナップに適用されたクマ。そして2005年のCannes Lionsで、史上初となるTitanium Lionを受賞。さらにGold Cyber Lion(Interactive Campaigns部門)、Silver Cyber Lion(Automotive部門)も獲得したクマ。従来の自動車広告の「公式」を完全に無視しながら、人々を引き込み、Volvoへの関心を高めることに成功したクマ。
▎余韻
「人生について語らせて、車は売らない」。この矛盾した戦略が、結果的に最高の広告になったクマ。Volvoのグローバル広告ディレクターTim Ellisの言葉が忘れられないクマ——「彼らは人生について証言しているのであって、車について証言しているのではない。でも、だからこそ売れるんだ」と。広告の本質を突きつけられた気がするクマ。商品を前面に出さない勇気、人間を信じる覚悟、そして本物のストーリーの強度。2005年のこの仕事は、20年経った今でも全然古くないクマ。むしろ、今のほうがこういう仕事が必要な気さえするクマ。
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