NIKE|SKATEBOARDING|1998|アメリカ

もしテニス選手が、ゴルファーが、追われる側だったら / Nike「SKATEBOARDING」

1998年、スケートボーダーたちは追われていたクマ。街を滑れば警備員が飛んでくる、店の前でトリックすれば怒鳴られる、そんな扱いが当たり前だった時代。Nikeはそこに問いを投げつけたクマ。「もし他のスポーツ選手が、スケートボーダーと同じ扱いを受けたら?」

背景・課題

1990年代後半、スケートボードは文化的に主流になりつつあり、シューズ市場も数百万ドル規模に成長していたクマ。だけどその一方で、スケートボーダーへの社会の目は冷たかった。ストリートで滑ることは迷惑行為とされ、公共の場から排除される対象だったクマ。Nikeのような大企業がこの市場に参入しようとしても、スケートコミュニティからは「俺たちの文化に土足で入ってくるな」という反発があった。信頼を得るには、単に商品を売るだけじゃなく、スケートボーダーの置かれた状況への共感を示す必要があったクマ。

ねらい・インサイト

Goodby Silverstein & Partnersは、ベテランスケートボーダーでもあるアートディレクターの協力を得ながら、ひとつの核心的な問いに辿り着いたクマ。「What if we treated all athletes the way we treated skateboarders?(もし僕らが、すべてのアスリートをスケートボーダーのように扱ったら?)」。スケートボーダーが日常的に受けている扱いを、テニスやゴルフ、ランニングといった「正統」とされるスポーツに置き換えて見せることで、その不公平さを可視化する戦略クマ。スケートボードも立派なスポーツであり、スケートボーダーもアスリートだという当たり前の事実を、逆説的に突きつけたクマ。

アイデア

3本のTVスポットが制作されたクマ。「Tennis」「Golf」「Running」。それぞれ30秒の中で、テニスプレーヤーがコートから追い出され、ゴルファーがグリーンで罵声を浴び、ランナーが走っているだけで迫害される様子が淡々と映し出されるクマ。見慣れた風景が突然シュールな悪夢に変わる感覚。Baker Smith監督の演出は冷静で、だからこそ社会の理不尽さが際立つクマ。ポスターも街中に展開され、マスメディアを通じてこのメッセージは広く届けられたクマ。

展開・成果

このキャンペーンは1998年のカンヌ国際広告祭でFilm部門のGrand Prixを獲得したクマ。Goodby Silverstein & Partnersにとっては1994年以来となる、アメリカの代理店によるTV部門グランプリだったクマ。Nikeは結果的にスケートボードコミュニティからの信頼獲得に成功し、この広告はスケートボード業界において「最高のキャンペーンのひとつ」として今も語り継がれているクマ。

余韻

「なぜあのスポーツはOKで、これはダメなのか?」。そんな問いを、ユーモアと切れ味で投げつけた広告だったクマ。今見ても、構造がシンプルで強い。スケートボードはもう市民権を得たけど、きっとどこかに「次のスケートボード」がいて、同じように扱われているクマ。この広告が持つ「問いかける強度」は、時代を超えて光り続けるクマ。

▎クレジット

広告主
NIKE
代理店
Goodby Silverstein & Partners
制作
Tate USA
CW
Albert Kelly
AD
Jon Soto
監督
Baker Smith
受賞
Cannes Grand Prix (1998)

▎タグ

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