THE AMMADA TRUST|#GIVEHER5|2017|インド
5日間を、取り戻す / THE AMMADA TRUST「#GIVEHER5」
教室から、少女たちが消えていく。シンプルな映像だけど、その意味を知ったとき、胸が締め付けられるクマ。これは生理用品が買えないインドの女の子たちの話。毎月5日間、学校に行けない。その繰り返しで、5人に1人が学校をやめてしまう。当たり前すぎて見えなくなっていた不平等を、クラウドファンディングという希望に変えた仕掛けクマ。
▎背景・課題
インドでは3億5000万人の少女が、生理のたびに月5日間学校を休むクマ。理由は複合的で、生理用品が買えない経済的問題、学校にトイレや交換場所がないインフラの問題、そもそも何を使えばいいか知らない教育の問題が重なっている。結果、不衛生な布や灰、もみ殻を使い、感染症のリスクにさらされる。都市部の女性たちは、この現実をほとんど知らなかったクマ。自分と同じ国で起きている、想像を絶する格差。それを可視化することが、この企画のスタート地点だったクマ。
▎ねらい・インサイト
「5日間」という数字に、すべてを集約したのが巧みクマ。毎月失われる5日間。年間60日。人生の6分の1。その積み重ねが、夢を奪い、未来を閉ざしていく構造。都市部の特権階級にとっては「ありえない」ことが、地方では当たり前に起きている。このギャップを、共感ではなく「姉妹としての連帯」で埋めようとしたクマ。ソーシャルメディアで最も活発な都市部女性をターゲットに、影響力のあるインフルエンサー Miss Malini を起用。彼女が生理を理由にSNSから完全に消える、という体験型の仕掛けで「不在の可視化」を実現したクマ。数千人の女性が彼女に続いて消え、戻ってきたときに教育動画と寄付の呼びかけを拡散する設計。理屈じゃなく、体感させる強度があったクマ。
▎アイデア
クラウドファンディングで150ルピー(約2.5ドル)を集め、再利用可能な生理用品「Saafkins」を届ける仕組みクマ。Saafkinsは12時間使える抗菌加工済みで、洗って繰り返し使える。150ルピーで、一人の少女に1年分の生理用品が届く計算。「たった150ルピーで、少女の人生が変わる」というメッセージの明快さ。ソーシャルを起点に、www.giveher5.org へ誘導し寄付を促すクマ。動画は教室のシーンだけ。生理が来るたび、少女たちが一人、また一人と消えていく。説明は最小限、でも伝わる。この削ぎ落とされた演出が、逆に問題の深刻さを際立たせているクマ。
▎展開・成果
ローンチから24時間で140万件の寄付が集まり、4万日分の「生理の日」がカバーされたクマ。インドの大手テレビ局Zeeが自主的に放映を申し出て、ムーブメントが全国規模に拡大。ボリウッド俳優のVarun Dhawan、Arjun Kapoor、著名ジャーナリストBarkha Duttらがサポートを表明し、彼らの合計SNSフォロワー5075万人にリーチ。1ヶ月で12億インプレッションを達成し、740万人の少女が学校に戻ることができたクマ。Cannes Lions 2017でGlass Lions部門Gold受賞、さらに同年9月にはD&AD Impact AwardsでGraphite Pencilを獲得。単なる広告キャンペーンではなく、社会構造に介入する「ムーブメント」として機能したことが評価されたクマ。
▎余韻
「消える」ことで「存在」を証明する。その逆説が、めちゃめちゃ効いてるクマ。都市と地方、持てる者と持たざる者、見える世界と見えない世界。広告は、その境界線を一瞬で溶かすことができる。150ルピーという具体性、5日間という反復可能な数字、Saafkinsという実在するソリューション。すべてが現実に根ざしているから、感動じゃなくて行動に変わる。クマも、自分の特権を疑うことから始めたいと思ったクマ。見えていないものを、見ようとする努力。それが、広告の、いや人間の仕事だと思うクマ。
▎クレジット
▎タグ
▎広告くんが選ぶ関連3本
同じ匂いがするクマ〜