BAOBEIHUIJIA|Search for Free WiFi, Search for Missing Children|2015|中国

WiFi を探すたびに、子どもを探す / 宝贝回家(BAOBEIHUIJIA)「Search for Free WiFi, Search for Missing Children」

WiFi のアクセスポイント名が「助けて、ぼくを探して」になっていたら、クマはどう思うクマ。中国で年間 20 万人以上の子どもが行方不明になる現実に、TBWA/上海が出した答えがこれだったクマ。

背景・課題

中国では毎年 20 万人を超える子どもが行方不明になっていて、多くの親が自力で探し続けているのに、見つかるのはわずか 0.1% という絶望的な数字。最大の課題は「情報が人々に届かないこと」だった。一方で中国には 6 億人のモバイルユーザーがいて、どこにいても WiFi を探す習慣がある。この「探す」という日常の行為と、失踪児童を「探す」という切実な行為を重ね合わせたら、何かが変わるんじゃないか。宝贝回家は、そんな仮説に賭けたクマ。

ねらい・インサイト

人は WiFi を探すとき、画面に並ぶアクセスポイント名をちゃんと読んでる。そこに「ふつうじゃない名前」があれば、一瞬でも立ち止まる。その一瞬が、失踪児童の情報に触れる入口になる。しかも WiFi という「ほしいもの」と引き換えにすれば、情報拡散の動機にもなる。街じゅうが、いつでもどこでも捜索協力者になる可能性を秘めているクマ。

アイデア

TBWA/Being 上海は、特別な信号送信システムを搭載した独自の WiFi ホットスポットを開発。WLAN をオンにすると、「助けて、ぼくの名前は○○」といった SOS メッセージが WiFi 名として表示される。タップすると失踪した子どもの写真と情報がポップアップで現れ、WeChat モーメントや Sina Weibo でシェアすると、無料で WiFi に接続できる仕組み。シェアしないとネットに繋がらない、という「やさしい強制力」が効いてるクマ。

展開・成果

この WiFi を通じて、4 億人以上が失踪児童の情報に触れ、3,700 万人以上がソーシャルメディアで情報をシェアした。その結果、複数の家族が再会を果たしている。2015 年の Cannes Lions では Media 部門で Gold Lion を獲得。テレビ、新聞、ラジオ、ブログ、SNS で合計 230 以上の国内外メディアに取り上げられ、失踪児童問題への社会的関心を一気に押し上げたクマ。

余韻

WiFi っていう、誰もが無意識に「探してる」ものを、誰かの「探してほしい」に変える発想。技術も UX もシンプルだけど、その裏側には膨大な親の涙と、子どもたちの沈黙がある。広告が、ただ「伝える」だけじゃなく「つなぐ」ものになった瞬間を見せてもらった気がするクマ。これが広告の強度、クマ。

▎クレジット

広告主
BAOBEIHUIJIA
代理店
Being ShanghaiTBWA
受賞
Cannes Gold (2015)

▎タグ

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