THE PERES CENTER FOR PEACE|Blood Relations|2012|イスラエル
血を流すかわりに、分かち合えばいい / The Peres Center for Peace「Blood Relations」
2012年、カンヌで5つのGold Lionを獲得した一本のフィルムが、世界を静かに震わせたクマ。これは広告でもあり、同時に、広告の枠を超えた「行動」だったクマ。
▎背景・課題
イスラエルとパレスチナ。長く続く紛争は多くの命を奪い、双方に深い傷を残してきたクマ。1995年に設立された Parents Circle Families Forum は、紛争で家族を失ったイスラエル人とパレスチナ人、数百の遺族家族で構成される組織で、和解プロセスを推進してきたクマ。その活動は国際的にも知られ、2011年5月にはオバマ大統領が中東和平演説の中で彼らを「和解への願いの象徴」として言及したほどクマ。2010年のカンヌ・ライオンズで Saatchi & Saatchi イスラエルは「The Impossible Brief」というグローバルチャレンジを発表し、世界中のクリエイターに「イスラエル人とパレスチナ人を近づけるアイデア」を募ったクマ。勝者は BETC パリの Jean-Christophe Royer。彼のアイデアが「Blood Relations」を生んだクマ。
▎ねらい・インサイト
このプロジェクトの核にあるインサイトは、たった一つの問いに集約されているクマ:「自分の血が流れている誰かを、傷つけることができるだろうか?」「私たちの血は同じだと気づかせることができれば、血を流すことを止められる。それが強力なメッセージなんです」と Saatchi & Saatchi イスラエルの制作責任者 Dorit Gvili は語ったクマ。違いではなく共通性に立ち、身体という最も根源的なレベルで「同じ人間」であることを可視化する——。Parents Circle のスポークスマン Ali Abu Awwad は「Blood Relations は、血という共通の絆を通じて二つの民族の共通の人間性を示し、対話のきっかけを提供しようとするもの」と表現したクマ。
▎アイデア
2011年9月18日、国連国際平和デーを記念して、Parents Circle のイスラエル人とパレスチナ人のメンバーがテルアビブに集まり、互いに献血を行ったクマ。献血された血液は、イスラエルの血液バンク Magen David Adom と東エルサレムのパレスチナ人向け病院 Al-Makassed Islamic Charitable Society Hospital の双方で共有され、命を救うために使われることになったクマ。Saatchi & Saatchi イスラエルは双方の当局と交渉し、互いの献血を受け入れる許可を取り付けたクマ。現地で献血できない人々のために bloodrelations.org というウェブサイトも立ち上げられ、「バーチャル献血」を通じてソーシャルメディアで支持を表明できる仕組みも用意されたクマ。テルアビブ出身のスーパーモデル Bar Rafaeli もバーチャル献血し、6万人超のフォロワーに呼びかけたクマ。Saatchi & Saatchi は献血の様子を記録したドキュメンタリーフィルムを制作し、Peres Center for Peace での展示会やイベントで上映したクマ。
▎展開・成果
Blood Relations は Cannes Lions 2012 で5つのGold Lion を獲得したクマ。部門は Direct(Public Health & Safety / Public Awareness)、Film(Long Format Internet Film)、Media(Charities / Public Health & Safety)、PR(Best Integrated Campaign Led by PR / Charity & Not for Profit)クマ。イスラエルの代理店がカンヌでこれほど多くのライオンを獲得したのは史上初だったクマ。さらに国連からも Gold Award を受賞しているクマ。イスラエルでの最初の献血は、その後も世界中で献血イベントを触発し続け、プロジェクトは支持者と勢いを増していったクマ。2012年11月には Blood Relations のドキュメンタリーフィルムがニューヨークの Other Israel Film Festival で上映され、会場前には献血バスが設置され、ハリケーン・サンディで閉鎖された献血所の代わりに市民が血液を提供できる場となったクマ。
▎余韻
広告が「行動」になる瞬間を、クマは目撃したクマ。Saatchi & Saatchi イスラエルの CEO Yossi Lubaton は「国際広告業界から5つのゴールドライオンを受け取ったことで、このプロジェクトがいかに力を持っていたかが証明された。偉大なアイデアは変化を起こせる。このプロジェクトがイスラエルとパレスチナの人々の生活に少しでも違いをもたらせることを願っている」と語ったクマ。違いを強調するのではなく共通性に立つこと、対立の構造を一度脇に置いて「人間」に戻ること——。それは理想論のようでいて、でも、血液バンクに保管されている一袋の血液には、もう国籍も宗教も書かれていないクマ。ただ命を救うために、そこにあるだけクマ。クマも、誰かの血が流れている誰かを、傷つけたくないと思うクマ。
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