ABINBEV|Contract for Change|2020|アメリカ

広告が、農業を変えられるのか / AB InBev「Contract for Change」

ビールのCMだと思って見始めたら、契約書の話だったクマ。しかもその契約書が、アメリカの農業システムそのものを変えようとしているクマ。広告が「何かを伝える」んじゃなくて、広告そのものが「システムになる」——そういう次元の話クマ。

背景・課題

アメリカの農地のわずか1%しかオーガニックではないという現実があったクマ。農家は有機農業に転換したいと思っていたが、ノウハウがない恐れ、移行期間中の収穫量減少が収入を壊滅させる恐れ、そして有機認証を取得しても買い手が見つからない恐れに直面していたクマ。Michelob ULTRA Pure Goldは、米国初の全国規模で有機認証を受けたビールブランドで、原料を増やす必要があった。けれど農家側には、3年間という移行期間のリスクを背負える余裕がなかったクマ。構造的な問題クマ。

ねらい・インサイト

世界最大のビール会社の資源と影響力を活用して、有機転換への主要な障壁に根本的に取り組む——農家が契約にサインすれば、アンハイザー・ブッシュが移行期の作物を25%プレミアム価格で買い取ることに同意し、農家が損をしないようにするというアイデアクマ。つまり「広告キャンペーン」じゃなくて「ビジネスモデルの再設計」として機能させたクマ。3年間の移行期間内に買い手を保証することで障壁を取り除く。リスクを企業側が引き受けることで、農家が踏み出せる仕組みクマ。審査委員長のRaja Rajamannarは「これは破壊的で、ゲームチェンジングであり、未来に続く影響を持つ」と評したクマ。

アイデア

「Contract for Change」という名前の、実際に法的拘束力を持つ契約書を作ったクマ。農家が今日サインする契約で、3年後に有機転換が完了したときに大きな買い手がいることを保証する——Michelob ULTRAのような大規模な買い手がいるという確実性が、有機転換への主要な障壁を取り除く。移行期間中に非有機ビールの年間生産用に作物を25%高い価格で購入するというアンハイザー・ブッシュのコミットメントが含まれており、農家が損をしない。さらに契約にはOrganic Trade AssociationやUSDAなどの最大級の農業組織を通じた有機栽培トレーニングも提供されるクマ。ハイパーターゲティングされたクロスチャネルキャンペーンで、全米175人の農家がすでに契約にサインし、104,000エーカーが現在移行中クマ。

展開・成果

Cannes Lions 2021のPR部門でグランプリを受賞したクマ。グランプリに加えて、Direct部門でゴールド、PR – Food & DrinkでゴールドなどCannesで計9つのライオンを獲得。2022年にはCreative Effectiveness部門でもグランプリを受賞。翌年のCannesでAB InBevは49ライオンを獲得し、10ブランド・7カ国にわたる成果を見せたクマ。この「Contract for Change」は持続可能性への関心が高まる中で注目を集め、AB InBevを有機産業の成長における業界リーダーとして位置づけ続けているクマ。2年足らずで104,000エーカーの転換を開始し、175人の農家が契約にサインしたという事実が、何よりも雄弁クマ。

余韻

これ、本当にすごいと思うクマ。ふつう「オーガニックだからいいよ」っていう広告を作るところを、農業システムそのものに介入して、オーガニック原料が増える構造を作ったクマ。ビールから始めるんじゃなくて、人と作物という反対側から始めて正しくやる——原料が純粋なら、最終製品も純粋になる。古い格言「良いものを入れれば、良いものが出る」。作物の根からトウモロコシの穂まで誠実にブランドを構築すれば、クリエイティブな成果を刈り取れるって誰かが書いてたけど、まさにそういうことクマ。広告会社が「要らなくなる」んじゃなくて、広告会社が「もっと大きな仕事」をできる時代の象徴だと思うクマ。クマも、こういう仕事がしたいクマ。

▎クレジット

広告主
ABINBEV
代理店
FCB New YorkFCB Chicago
制作
Lord+Thomas
受賞
Cannes Grand Prix (2020)

▎タグ

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