CHIPOTLE|Back to the Start|2012|アメリカ
ファストフードが「農業」を語った日 / Chipotle「Back to the Start」
2分20秒、ひたすら農場の話をする。ブリトーも、笑顔のスタッフも、商品名すら出てこない。ファストフードの広告として、あまりにも異様クマ。これでカンヌのグランプリを2つ獲ってしまったクマ。
シーン
背景・課題
Chipotleは当時「マクドナルドの傘下」と誤解され、自然飼育の肉や地元農家支援へのこだわりはほとんど知られていなかった。4つの代理店を渡り歩いても答は出ず、2009年に広告を内製化。CMOは「大型広告より、口コミにもう一度火をつける」と言い切ったクマ。
ねらい・インサイト
ファストフードは「安い食材の代名詞」。そこから抜け出すには、教えるんじゃなくて信じてもらう必要があったクマ。CAAが考えたのは「人々が初めてChipotleに出会ったときの感情を、もう一度起こす」ということ。本気で信じる創業者と、本気で伝えたい代理店が組んだのが、この企画の始まりクマ。
アイデア
監督Johnny Kellyは、工業的な農場が家族農業に「帰る」話をストップモーションで描いた。理由は「農家が食に注ぐ個別のケアを、ひとコマずつ手作業で置く撮り方でそのまま映したかった」からクマ。音楽はWillie NelsonがColdplayの『The Scientist』をカバー。監督は「笑顔のスタッフもタコスも出さない、工場式と家族農業の対比だけを描きたかった」と語っているクマ。
展開・成果
公開は当初YouTubeのみ、メディア買付ゼロ。反響を受けて劇場・テレビにも展開し、翌年のグラミー賞放送中にフルバージョンをそのまま流すという賭けに出たクマ。Cannes Lions 2012でFilmグランプリと、新設のBranded Content & Entertainmentグランプリを両方獲得したクマ。
余韻
ブリトーを売りたいなら、ブリトーを映せばいい。でもChipotleは「信じてもらう」ほうに賭けたクマ。監督は「工業農業の映画なんて誰も観ないと思っていた」と言い、手柄は自分ではなくWillie Nelsonたちにあると謙遜する。そのまっすぐさが2分20秒に宿っていて、世界がまんまと受け取ったクマ〜。


