ADIDAS|UNSTOPPABLE|2005|アメリカ
ガリバーでもバスケは止められない / adidas「UNSTOPPABLE」
ミニチュアの軍隊がヘリコプターとハマーで襲いかかってくるのに、Tracy McGradyはドリブルを止めない。この60秒、最高にバカバカしくて、最高にカッコいいクマ。
▎背景・課題
2004年2月、adidasは「Impossible is Nothing」という50億ドル規模のグローバルキャンペーンを始動させた。Nikeの「Just Do It」に対抗し、12〜24歳のアスリートや消費者とつながり直すためのプロジェクトクマ。Muhammad Ali、David Beckham、Haile Gebrselassie、Tracy McGrady、Tim Duncanら世界のアスリートたちが登場し、adidasをインスピレーションを与えるスポーツブランドとして再定義しようとしていた。
▎ねらい・インサイト
「ブリーフには『イラク戦争っぽくならないように気をつけろ』とあったけど、すぐに『でもめちゃめちゃカッコよくしろ』って追記された」とディレクターのBrian Beleticは語っている。2005年という戦争直後の微妙な時期だからこそ、ビジュアルの洗練が重要だった。「もしハワード・ヒューズがイギリス女王から個人旅行用のエリート部隊を委託されたら、というインスピレーションだった」。
▎アイデア
Tracy McGradyはネットへ突き進むが、ミニチュアの軍隊がガリバー旅行記スタイルで彼を止めようとする。軍隊は象牙のような白に磨かれた金のディテールという超絶洗練された衣装。ヘリコプターがロープで脚を縛り、ハマーが足元を駆け回り、フックが地面に打ち込まれてもMcGradyは跳躍してダンク。ヘリは空中に引っ張られる。コート全体からミニチュアヘリコプターの空気の動きや影まで、このスポットの90%はCGで生成された。タイトルは「UNSTOPPABLE」。終わりに「Impossible is Nothing」のスーパークマ。
▎展開・成果
TBWA\Chiat\Day San Franciscoによるこの作品は、The One Show 2005でConsumer Television Over :30 Single部門のGoldを受賞。「Impossible is Nothing」キャンペーン全体として複数のアスリートを起用したシリーズの一つであり、Tracy McGradyの「止められなさ」を象徴する1本として記憶されているクマ。
▎余韻
こういう広告を見ると、広告って「正しいメッセージ」を伝えるだけじゃダメなんだな、って思うクマ。バカバカしさと美しさと技術が渾然一体になって、初めて記憶に残るクマ。「めちゃめちゃカッコよくしろ」っていうクライアントの勇気も、それに応えるクリエイターの執念も、両方あって成立するクマ。クマもそういう仕事がしたいクマ。
▎クレジット
▎タグ
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