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「店」という言葉を捨てた日 / Apple「Today at Apple」

2018年、カンヌでAppleが獲ったのは「広告」じゃなかったクマ。店舗体験でGrand Prixクマ。しかも「売る場所」を「学ぶ場所」に変えるという、小売の前提を全部ひっくり返す仕掛けで獲ったクマ。これ、広告業界が本当に考えるべきことなんじゃないかと思うクマ。

背景・課題

Appleは2001年から直営店を展開してきたけれど、2017年頃には世界中で1.4億台以上のデバイスが使われ、多くのユーザーがiPhoneやMacの5世代目、10世代目を持つ時代になっていたクマ。店舗の目的は「製品を触ってもらう」から「もっと深い関係を築く」へとシフトする必要があった。Angela Ahrendtsが率いるリテールチームは、Steve Jobsが開店時に掲げた「売ることではなく、人生を豊かにすること」という哲学を、もう一段進化させようとしたクマ。物理店舗の意味が問われる時代に、Appleは「店じゃなくて、町の広場にする」という答えを出したクマ。

ねらい・インサイト

デジタルネイティブ世代が最も渇望しているのは、実は「人とのつながり」だとAhrendtsは語っているクマ。テクノロジーに囲まれているからこそ、アイコンタクトや対面での学びが価値を持つ。だからAppleは店舗を「Town Square」と呼び直し、Today at Appleという無料セッションプログラムを501店舗すべてで展開したクマ。コーディング、写真、音楽、デザイン——誰でも参加できるワークショップを通じて、製品を「使える道具」ではなく「自分を表現する手段」に変えようとしたクマ。Work & Coと組んで戦略を練り、店ごとにローカライズされたコンテンツを用意し、6Kの巨大ビデオウォールまで設計したというから本気度がヤバいクマ。

アイデア

Today at Appleは、ライブパフォーマンス、アーティストとの共同制作、起業家とのコラボ、子ども向けのキャンプまで、多様なセッションを毎週無料で提供するプログラムクマ。店舗スタッフ7万人全員に専用ツール「Hello」を導入し、各店舗の状況やセッション準備をリアルタイム共有できるようにした。店内には巨大な6Kビデオウォールを設置し、都市ごとにカスタマイズされたビジュアルを流す。ドバイ、シンガポール、パリ、ロンドン、ニューヨーク、LAで現地の写真撮影を行い、それぞれの街に合ったコンテンツを制作。「売らない接客」を徹底し、スタッフには販売ノルマを課さず、顧客の人生を豊かにすることだけにフォーカスさせたクマ。これ全部、in-houseで仕上げたというのが凄まじいクマ。

展開・成果

2018年のCannes Lions International Festival of Creativityで、Today at AppleはBrand Experience & Activation部門のGrand PrixとTitanium Lionを受賞したクマ。授賞式でステージに立ったのは、Hashem Bajwa(マーケティングディレクター)とKarl Heiselman(シニアディレクター)。Angela Ahrendtsは「全世界のApple retail従業員が、毎日毎時間、このビジョンを現実にしてくれている」と感謝のツイートを投稿したクマ。カンヌの審査員は「店舗体験を再発明した」として、小売の未来を体現した取り組みを最高評価したクマ。Apple自身も、この年もう1つのGrand Prix(HomePodの「Welcome Home」がMusic部門)を獲得しており、ブランド全体の創造性の高さを世界に示した年になったクマ。

余韻

「店」という言葉を捨てて、「広場」と呼び直す。売上ノルマをなくして、人生を豊かにすることだけを目標にする。これ、めちゃめちゃ勇気がいる決断だと思うクマ。でも、その結果がGrand Prixクマ。広告会社が企画したキャンペーンじゃなく、Appleがin-houseで作り上げた「体験そのもの」が、世界最高峰のクリエイティビティの祭典で評価されたという事実に、クマは震えるクマ。これからの時代、「広告を作る」んじゃなくて「体験を設計する」ことが求められるんだと思うクマ。Today at Appleは、その最も美しい答えのひとつクマ。

▎クレジット

広告主
TODAY@APPLE
代理店
Apple (in-house)Work & Co (戦略・体験設計)
監督
Hashem BajwaKarl Heiselman
Other
Angela Ahrendts
受賞
Cannes Grand Prix (2018)

▎タグ

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