CADBURY|IT'S NO PICNIC|2010|オーストラリア

30秒でチョコバーを食べきれますか? / CADBURY「IT'S NO PICNIC」

2010年、オーストラリアのテレビを見ていた人々は突如として不思議な光景を目にすることになったクマ。素人たちが必死にチョコレートバーを頬張る30秒間のCMが、毎回違う人、違う表情で次から次へと流れたクマ。しかもそれが200本以上。ひとつとして同じものがない。広告枠すべてがユニークで、すべてが消費者自身によって作られていたクマ。これ、ヤバいクマ。

背景・課題

Picnicは、ナッツ・キャラメル・ウエハース・パフライスという複雑な構造を持つ「食べづらい」チョコバーとして知られるオーストラリアの老舗ブランドクマ。だが2009年時点でブランドは忘れられかけており、早急に人々の関心を取り戻す必要があったクマ。2009年の小売売上は12.5%減、一方で競合Snickersは同期間に7.2%増という厳しい状況だったクマ。Snickersは「Get some nuts」というMr.Tを起用したキャンペーンで若年層の支持を獲得し、YouTubeでも話題に。一方Picnicは「Deliciously ugly」という屋外広告のみで、まったく対抗できていなかったクマ。

ねらい・インサイト

代理店は「Perpetual Teenager(永遠のティーンエイジャー)」という概念を設定した。これは「いい歳になっても、バカげたこと・無責任なこと・突拍子もないことをやりたがる抑えがたい衝動を持つ人々」を指すクマ。この層にとって、ブランドに参加すること、しかも自分がテレビに出られるかもしれないというチャンスは、まさに刺さるインサイトクマ。そして製品特性そのもの──「Picnicバーを30秒で食べきる」というチャレンジ──をクリエイティブの核に据えたクマ。ナッツもキャラメルもウエハースも詰まったこのバー、30秒で食べきるのは本当に大変。その「大変さ」こそが製品デモンストレーションになるという、見事な構造クマ。

アイデア

GPY&R Melbourneは、視聴者に対して「Picnicバーを30秒のCM枠内で食べきる」というチャレンジを課し、携帯電話・ウェブカム・ハンディカムで撮影した動画をウェブサイト itsnopicnic.tv でCMとして作成できる仕組みを構築したクマ。参加を容易にするため、50種類の事前録音ナレーションと1,400種類の名前データベースを用意し、誰でも簡単にパーソナライズされたCMを作れるようにしたクマ。メディアバイイング代理店Caratを通じて、承認された動画はそれぞれ一度だけ放送される形で次々とテレビで流され、制作者にはどの番組・時間帯に流れるかが事前に通知され、Facebook・Twitter・メールで拡散を促したクマ。共同CDのJim IngramとBen Couzensは「ディレクターもエディターもグレーディングも音楽もない、こんな規模のキャンペーンを作るのは怖い。でも始まってみれば、今のところ順調だ」とコメントしている。代理店が制作を完全に手放し、消費者に委ねる勇気クマ。

展開・成果

オーストラリア初の試みとして、テレビで放送されたCMすべて(200本以上)が、ウェブサイトで作られたユニークなものだったクマ。「有名になりたい」という欲求が強力に働き、応募数は657件に達したクマ。2009年2月、Picnicの小売売上は成長し、Snickersの売上は減少。キャンペーン期間中、Picnicの市場シェアは拡大し、Snickersはシェアを失ったクマ。本キャンペーンは2010年カンヌライオンズでGold 1本・Silver 1本・Shortlist 1本を獲得したクマ。業界内では「2010年の最初の大勝利」として称賛され、クライアントの勇気とエージェンシーのリスクテイクが絶賛されたクマ。

余韻

「30秒でPicnic食べきれる?」っていうシンプルな問いかけが、製品の「食べごたえ」という特性そのものを体験させ、しかも参加者全員が広告塔になるという、完璧すぎる構造クマ。ディレクターもエディターもいない、承認された動画だけが淡々と全国放送に流れていく──その潔さと信頼関係がたまらなくカッコいいクマ。2010年の時点で、すでに「広告は作るものじゃなく、参加してもらうもの」という正解を示していたこのキャンペーン、いま見ても全然古くないし、むしろ今やったらもっとエグいことになる気がするクマ。クマも30秒チャレンジ、やってみたいクマ〜!

▎クレジット

広告主
CADBURY
代理店
George Patterson Y&R Melbourne
CD
Jim IngramBen Couzens
CW
Jim Ingram
AD
Ben Couzens
受賞
Cannes Gold (2010)

▎タグ

▎広告くんが選ぶ関連3本

同じ匂いがするクマ〜