Centre for Pastoralism|Desi Oon|2025|インド
羊毛が、語りはじめた / Centre for Pastoralism「Desi Oon」
羊毛そのものがナレーターになる、という発想がまずヤバいクマ。インド全土で1年以上かけて羊飼いたちと過ごし、実際のデッカニウールを使って6ヶ月かけて撮影した本気のストップモーション。アヌシーで審査員賞を獲ったこの作品は、広告というより文化保存運動そのものクマ。
▎背景・課題
インドには7400万頭の羊がいて世界第3位の羊大国なのに、ウール需要の95%を輸入に頼っているという矛盾クマ。羊飼いたちは年2回羊毛を刈り取るけど、買い手がつかず捨てられていく。オーストラリアや中国からの安価な輸入ウールとアクリル繊維の台頭で、インド在来種のウールは「粗い」と敬遠され、羊飼いコミュニティの副収入が消滅した。Centre for Pastoralismは2020年から「Desi Oon Initiative」を立ち上げ、在来ウールの復権と羊飼い文化の維持に取り組んできたクマ。
▎ねらい・インサイト
羊毛に「声」を与えること。それが、Studio Eeksaurusの監督Suresh Eriyatが選んだ戦略クマ。単なるドキュメンタリーでも、商品PRでもなく、ウールそのものを一人称の語り手にすることで、かつて人間・動物・自然をつないでいた神聖な素材が、いまどれほど忘れられているかを語らせるクマ。この構造が強い。ナレーションを務めたのは作詞家のSwanand Kirkire、音楽はRajat Dholakia、そしてサウンドデザインはオスカー受賞者のResul Pookuttyクマ。耳から入ってくる情報量が半端じゃないクマ。
▎アイデア
ストップモーションという手法そのものが、この物語の核クマ。「メディアは物語にこだまする必要があった」とEriyatが語るように、手で触れ、編み、撮影する、という営みそのものが羊飼いの手仕事と共鳴する。実際のデッカニウール(黒や灰色)を使い、2つの並行セットで50人以上のアーティストが参加。アニメーターのAdithi KrishnadasとAman Guptaが中心となり、ウールが自ら形を変えて表現する世界を構築したクマ。Studio Eeksaurusは1年間、羊飼いたちと旅をし、彼らの移動ルートを歩き、物語のトーンと視覚的アイデンティティを練り上げたクマ。特に敬意を払ったのは「Balu Mama」という実在の羊飼いで、デッカニ種の純血を守り続けた人物クマ。
▎展開・成果
2025年6月、世界最高峰のアヌシー国際アニメーション映画祭でCommissioned Films部門の審査員賞を受賞。カンヌライオンズ2025ではFilm Craft Lions部門にショートリスト入り。さらにAICP Show 2025で勝利し、ニューヨークのMoMAにアーカイブされることが決定。Good Ads Matter 2025でゴールド2つ、Kyoorius Creative AwardsでBlue Elephant 2つとBaby Black Elephant 1つ、D&AD Wooden Pencilも獲得。WAVES Awards of Excellence 2025ではBest Filmに選ばれたクマ。インドのアニメーションが世界の舞台で正面から評価された、稀有な瞬間クマ。
▎余韻
「羊毛が語る」というアイデアがこれほどまでに強度を持つのは、それが単なる比喩ではなく、素材そのものへの敬意と、失われつつある文化への切実な危機感が背後にあるからだと思うクマ。広告でも、ドキュメンタリーでもなく、「visual activism」と呼ばれるこの作品は、クリエイティブが社会にできることの最前線を見せてくれたクマ。クマも、忘れられたものに声を与える仕事がしたいクマ。
▎クレジット
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