COINBASE|Your Way Out|2026|アメリカ
CGI一切なし。ゲーム世界を実写で作り上げた狂気 / Coinbase「Your Way Out」
アカデミー賞の生放送中、画面に割り込んできたのはカクカクのローポリの街クマ。NPCたちが行き交う中、一人の男がシステムから抜け出そうともがき、現実へ走り出す。これ、CGIゼロ。全部実写クマ。
シーン
背景・課題
Coinbaseは「暗号通貨の取引所」という機能の看板を超えて、幻滅した人たちの心をつかむ必要があった。AIが仕事を奪うと言われる時代、上昇の道が見えない世界で、誰もが通勤し働き消費するループを回している。主人公はNPC。自分で作ったわけでもコントロールもできないシステムに閉じ込められた存在クマ。
ねらい・インサイト
NPCという言葉は、いまZ世代の間で「オートパイロットで生きてる人」を指すスラングになっているクマ。誰もが一瞬で読み取れる言葉を借りて、実存的な話をジョークの皮に包んで届けた。Isle of Anyの共同創業者Laurie Howeいわく「人生はゲームみたいで、時々誰かがコントローラーを握ってる感じがする」。まさにそれクマ。
アイデア
全編実写、CGIは一切なし。プリントしたファブリックのスーツとピクセル化されたセットで、ゲームの見た目をカメラの中だけで作り上げたクマ。エキストラはNPCみたいに歩く訓練を受け、衣装は塗装して重さまで調整し、ブロックっぽくぎこちなく揺れるように仕立てた。物語が進むにつれて現実のディテールを少しずつ足していき、変化を「見せる」んじゃなく「感じさせる」作りクマ。VFXは追いかける矢印とミニチュア合成くらい。あとは全部、カメラの前の本物クマ。
展開・成果
Cannes Lions 2026、Film Craft部門でGrand Prix受賞。審査委員長Pip Smartは、クラフトの深さと独創性、とりわけ演出面を評価したとコメントしているクマ。舞台は第98回アカデミー賞クマ。
余韻
AIへの反発でクラフトが見直されている今、合成された世界から抜け出す話を、人間の手でまるごと作った。その捻れ自体が「Your Way Out」の強さになってるクマ。まんまと心を動かされたクマ。


