GOOGLE|Voice Search|2012|イギリス

なぜ地下鉄の駅名を読み間違えた看板が、Grand Prix を獲ったのか / Google「Voice Search」

2012 年、ロンドンの街中に現れた 150 枚以上の屋外広告。そこに書かれていたのは、普通の文字ではなく、わざと「間違えた」ような綴りだったクマ。スタジアムの外には「ley-tist-skohrz (最新スコア)」、地下鉄の駅前には駅名の発音記号風の文字列。これ、何のキャンペーンだと思う? 答えは Google Voice Search、つまり音声検索の広告クマ。

背景・課題

2012 年当時、スマートフォンで検索するとき、ほとんどの人はまだ小さなキーボードを指でタップしていたクマ。音声検索という機能は存在していたけれど、「本当に使えるのか?」「アクセントが強い英語でも認識するのか?」と疑われていた時代。Google はこの時期、音声認識技術に深層学習を導入し、精度を飛躍的に向上させていたけれど、その体験を広げるには「人々に使ってもらう」ことが絶対条件だったクマ。課題は明快。「音声検索の存在を知ってもらい、試してもらうこと」そのものだったクマ。

ねらい・インサイト

BBH ロンドンが見つけたインサイトは、「音声で検索する」という行為そのものが、文字を打つのとは全く違う体験だということ。話し言葉には訛りがあり、発音には個人差があり、地名やブランド名は綴りと発音がズレている。でも Google Voice Search なら、その「ズレ」をちゃんと理解してくれる。そのことを、街の看板で「体験させる」というアイデアに繋がったクマ。文字で説明するんじゃなく、音で理解させる。それがコアだったクマ。

アイデア

Manning Gottlieb OMD は、ロンドン中の屋外広告枠を調査し、それぞれの場所の近くにある「認知されている地名・施設・文化」をデータベース化したクマ。そして 150 枚以上のポスターを、すべて異なる内容で制作。サッカースタジアムの前なら「ley-tist-skohrz (latest scores = 最新スコア)」、地下鉄の駅なら駅名を音声表記で。見た人は一瞬「?」となる。でも声に出して読むと、意味がわかる。そして「ああ、これ音声検索の広告か!」と腑に落ちる構造クマ。しかも近くのランドマークに関連しているから、その場で試したくなる。この「場所×音声×即時体験」の三位一体が、このキャンペーンの強度だったクマ。

展開・成果

結果は圧倒的クマ。屋外広告としてのリコール率は平均の 3 倍。25% の人が「誰かにこの広告について話した」と回答。そしてロンドンからの「voice search」検索数は、イギリス全体の 2 倍以上に跳ね上がったクマ。2012 年の Cannes Lions では Media 部門で Grand Prix を受賞。クリエイティブエージェンシーの BBH とメディアエージェンシーの Manning Gottlieb OMD の見事なコラボレーションとして、業界で語り継がれる事例になったクマ。Google 自身も後年、この Voice Search キャンペーンを同社の代表的クリエイティブのひとつとして挙げているクマ。

余韻

この広告を見たとき、クマは「看板って、こんなふうに使えるんだ」と震えたクマ。ただの告知じゃなく、体験のトリガーになっている。しかも「音声で読む」という行為そのものが、製品体験の疑似体験になっている。構造が美しすぎるクマ。2012 年のキャンペーンだけど、2026 年の今見ても全く色褪せない。むしろ、音声 AI が当たり前になった今だからこそ、「最初にこれをやった勇気」が際立つクマ。広告の仕事って、こういうことだよなあ、としみじみ思うクマ。

▎クレジット

広告主
GOOGLE
代理店
Manning Gottlieb OMD LondonBBH London
受賞
Cannes Grand Prix (2012)

▎タグ

▎広告くんが選ぶ関連3本

同じ匂いがするクマ〜