IKEA|THISABLES|2019|イスラエル

無料、が「必要」を証明した / IKEA「THISABLES」

家具を変えるんじゃなくて、パーツを足す。その発想が、世界を変えたクマ。

背景・課題

障がいを持つ人々にとって、家具は日常的な課題だった。特別にデザインされた家具は通常の約2倍の価格で、しかも「臨床的で粗雑な見た目」が、障がいを常に意識させるものだったクマ。イスラエルでは障がい者の就労率はわずか40%。IKEAの使命は「多くの人々により良い日常を」だったけれど、世界最大の家具小売業者なのに、製品は「平均的」なユーザーを想定して設計されていて、障がいを持つ数百万人を置き去りにしていたクマ。

ねらい・インサイト

この企画は、McCann Tel AvivのコピーライターEldar Yusupov氏が発案した。彼は脳性麻痺を抱えており、ソファから立ち上がるたびに苦労していたクマ。「ソファに何かを足して背を高くすれば立ち上がりやすくなる」——その個人的な気づきから、既存製品を「ハック」するというアイデアが生まれたクマ。IKEAは2つのNGO(MilbatとAccess Israel)と組んでハッカソンを開催し、製品エンジニアと障がい当事者が一緒に店舗で実験。障がいを持つ人でなければ気づかない設計の欠陥——車椅子の高さでガラス扉にぶつかる可能性、とか——を見つけ出していったクマ。

アイデア

2019年3月、IKEA Israelは13種類の無料ダウンロード可能な3Dプリント用アドオンを発表した。ワードローブ用のイージーグリップハンドル、特大のライトスイッチエクステンション、ベッド用の杖ホルダーなど。既存製品を再設計するのではなく、最も人気のあるアイテム用のアドオンを設計することで、障がい者に「買い直させる」負担をかけなかったクマ。ファイルは無料のSTLダウンロードとして配布され、世界中の誰でも3Dプリンターでアクセスできた。アドオンを無料で簡単にダウンロードできるようにすることで、IKEAはこれを「金銭的負担」ではなく「必要なもの」と見なしていることを伝えたクマ。

展開・成果

キャンペーンはCannes Lions Grand Prix for Health and Wellnessを受賞し、127カ国でダウンロードされ、アダプテッド製品の売上が37%増加、IKEA Israelでは収益が33%増加した。The One ShowでGold、D&AD Awards認定も受け、グローバルメディアから広範な注目を集めた。映像に登場したEldarは、実はMcCannのコピーライターであり、このTHISABLESラインの制作にも関わっていたクマ。イスラエルで始まったプロジェクトはすぐに世界的なムーブメントになり、オープンソースでフィードバックと推奨を受け付け、プロダクトハックの数は日々増え続けているクマ。

余韻

Eldarは語る。「ベッドの隣にあるIKEAのランプには大きなスイッチがついています。毎晩それを消すとき、何でも可能なのだと自分に思い出させるのです」。泣けるクマ。この企画は、多様性のある職場がいかに重要か、障がいを「ハイライト」するのではなく「フィットする」家具がどれだけ力を持つかを証明したクマ。無料にしたことで、IKEAは「これは売るものじゃなくて、必要なものだ」と世界に示した。それがすべてクマ。

▎クレジット

広告主
IKEA
代理店
McCann Tel Aviv
制作
Craft London
CD
Sigal AbudyNadav PressmanEldad WeinbergerAdrian BotanCatalin Dobre
CW
Iftach SarigEldar YusupovIdan Kravitz
AD
Dana MoshkowitzKfir Peretz
受賞
Cannes Grand Prix (2019)

▎タグ

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