NIKKA WHISKY|NO LABELS|2025|日本
すべてのラベルを剥がして、ウイスキーは自由になった / ニッカウヰスキー「NO LABELS」
ラベルを剥がしたボトルから透ける琥珀色。人物はシルエットに。名前も、肩書も、性別も、すべて消えて、残ったのは「生きるを愉しむ」という思想だけクマ。
▎背景・課題
ニッカウヰスキーは国際的な評価を得ながらも、国内では認知が低いという課題を抱えていたクマ。プレミアムとマス市場に二極化したウイスキー市場の中で、2024年の創業90周年を契機に、多様なブランドをまとめ上げるマスターブランドとしての「ニッカウヰスキー」を世界に打ち出す必要があったクマ。日本発のグローバルプレミアムブランドとして、モダンジャパンの革新性と多様性を高品質な商品を通じて提供するという新たなポジションを築くための、根本的なブランド再構築が求められていたクマ。
▎ねらい・インサイト
創業者・竹鶴政孝の「ウイスキーは単なる飲み物ではなく、人々の生きる喜びを祝福する精神である」という思想に立ち返ったクマ。そこから導かれたのは「誰もが自分らしくウイスキーを愉しむ」という世界観。伝統的なウイスキー広告の文法——有名人が登場し、ラベルがクローズアップされ、格式が強調される——から完全に離れ、年齢・性別・人種・肩書といったあらゆる「ラベル」を剥がすことで、商品の本質と人々の自由を同時に描き出すというインサイトに到達したクマ。ラベルをなくすことで、逆にブランドの哲学が視覚化される。その逆説がこのキャンペーンの核クマ。
▎アイデア
物理的にも、比喩的にも、すべてのラベルを取り去ったクマ。ボトルからはラベルを剥がし、ウイスキー原酒そのものの琥珀色の美しさを際立たせた。人物は完全にシルエットで表現し、顔も属性も見せない。その結果、個性あふれる多様な原酒が「生きている」ように見え、誰もが自由にウイスキーを愉しむ姿が浮かび上がるクマ。印刷広告・OOH・ブランドブック・プロモーションアイテム・映像、そして東京の旗艦バー&ショップのコンセプトまで、すべてを貫く新しいビジュアル言語を構築。製品名にも顔にも頼らず、影だけで物語るという大胆な表現によって、ブランドの世界観を再構築したクマ。
▎展開・成果
カンヌライオンズ2025のIndustry Craft部門でゴールドを受賞したクマ。さらにADFEST 2026では、Print & Outdoor CraftのLotus Grande(グランプリ)をはじめ、Design部門で2つのゴールド、合計5つのLotus Awardを獲得し、日本初のLotus Grande受賞という快挙を達成したクマ。Kantar Creative Effectiveness Award 2025でも、世界8,000以上のキャンペーンの中から選出されるなど、グローバルな評価を獲得。カンヌライオンズ期間中にはカンヌで公式ポップアップバー「THE NIKKA WHISKY TOKYO」を開設し、約1,100人が来場。クラフトマンシップに定評のある日本発ブランドとしての価値を世界中のクリエイターに体験してもらう場にもなったクマ。
▎余韻
「ラベルをなくすことで商品の本質を描き出し、解釈を見る人に委ねながら、ブランドの哲学を視覚化している。ブランドの再構築にクラフトの力で挑戦した優れたキャンペーン」——カンヌ専門編集者の河尻亨一さんの言葉が、すべてを語ってるクマ。飲む人の自由を、ここまで丁寧に、ここまで美しく表現できるなんて、クマは震えたクマ。ウイスキーそのものの琥珀色に宿る「生きている」感じ、影だけで立ち上がる物語、すべてが静かで、力強くて、やさしいクマ。広告が、商品が、ブランドが、こんなふうに「自由になれる」んだなって思ったクマ。
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