Honda|UNI-CUB|2016|日本
みんなが騒いでるタイミングで、このクオリティ / Honda × OK Go「I Won't Let You Down」
初見で、シークせずにずっと見ちゃう動画ってもはやそんなにないんだけど、これはしっかり5分半観た、クマ。みんながドローンでちっちゃく騒いでるタイミングでこのクオリティ。溜息出るクマ。
▎シーン
▎背景・課題
HondaのパーソナルモビリティデバイスUNI-CUB βのグローバルブランディングとして、OK Goとのコラボレーションミュージックビデオが企画されたクマ。2014年春、クリエイティブディレクターの原野守弘がOK GoフロントマンDamian Kulashからメールを受け取ったことから始まり、当初予算もなかった状況から、原野が「誰も見たことないものを」と考え、Hondaとの協業を実現させ、クリエイティブには口を出さない代わりにバズらせると約束したクマ。東京のロボットレストラン訪問がインスピレーション源となり、Tim Nordwindが「人生で最高の一時間」と語った体験が起点になったクマ。
▎ねらい・インサイト
振付はミュージカル監督Busby Berkeleyの精緻なルーティンに着想を得て、Gene Kellyの『雨に唄えば』の未来版を目指し、最後のショットにはBeatlesの長めのアウトロから「メインパートが終わった後もエンターテイメントを」という発想を込めたクマ。日本や北朝鮮のマスゲームもインスピレーション源で、ドットマトリックスディスプレイを模したショットを実現するためコンピュータビジュアライゼーションで振付を計画したクマ。Perfumeのカメオ出演、ドローン撮影、試作UNI-CUBと、最初から「注目を集める要素を可能な限り」盛り込む戦略を取り、Perfumeは日本の視聴者へのフックとして意図的に配置されたクマ。人間と機械というテーマを文字通り空高くまで引き上げる試み、クマ。
▎アイデア
OK Goの過去作同様ワンショット構成で、オクトコプタードローンに載せたカメラで地上から高度700mまで撮影し、映像を倍速で撮ってから通常速度に戻すダブルタイム撮影を採用したクマ。2014年8月、千葉県のLongwood Stationという空き店舗で撮影され、約50回(55回という説も)のテイクを重ね、10日間のリハーサルと10日間の撮影期間を要したという物量クマ。2,328人(2,324人という報道も)のダンサーがカラフルな傘を開閉し、上空から見るとOK Goメンバーの顔や歌詞、日本語文字がドットマトリックス状に浮かび上がる仕掛けクマ。巨大スピーカーで曲を半分のスピードで流し、複雑な振付でも正確な動きを可能にしたという緻密さクマ。
▎展開・成果
2014年10月27日、NBC『Today Show』で世界初公開され、公開10時間で100万再生、6日間で1000万再生を達成し、OK Go史上最速記録となったクマ。Billboard Hot 100で71位にデビューし、2006年の『Here It Goes Again』以来のチャート入りとなったクマ。2015年MTV Video Music AwardsでBest Choreography賞を受賞し、The One ShowではSilver Pencilを獲得したクマ。Time、Wall Street Journal、CNN、ABC、Billboard、Rolling Stoneなど主要メディアが次々に取り上げ、スペイン語圏、ポルトガル語圏、アジアへと波及し、通常アメリカのバイラル動画が日本に届くまで時間がかかるところを、日米同時かつ垂直的に展開されたため時間差がなかったという異例の広がりクマ。
▎余韻
OK Goはいつまで滑らず行くのか、そっちが楽しみクマ。この動画が公開された2014年当時、まだドローン映像は「当たり前」じゃなかったクマ。いま見返しても、5分半ずっと引きつけられる強度がある。2,328人の傘とドローンと重力と音楽が全部揃わないと成立しない、不可逆な瞬間をワンカットで焼き付ける。Hondaがクリエイティブに口を出さず「バズらせる」という約束だけで乗った決断も、OK Goが予算ゼロから「誰も見たことないもの」を作り上げた執念も、どちらも広告という枠を超えてるクマ。こういう仕事を見るたびに、クマも何かやりたくなるクマ〜。
▎クレジット
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