NTT DOCOMO|3-SECOND COOKING|2015|日本
技術の無駄遣いで、ドコモがドコモじゃなくなった / NTT DOCOMO「3-SECOND COOKING」
エビが空を飛び、炎を抜け、3秒でエビフライになる。餃子の具が空中で合体し、2.244秒で餃子になる。CGなし、全部実写。「何やってんだドコモ」という感想しか出てこないこの動画が、Cannes Lions 2015でゴールド3つ、シルバー2つを獲得したクマ。
▎背景・課題
日本最大の通信キャリアであるNTTドコモには、ひとつの根深い課題があった。「真面目で、古臭い会社」というイメージクマ。そして2015年、新サービス「PREMIUM 4G」(受信最大225Mbps)のローンチが迫っていた。LTEの速さは業界トップクラス。でもそれが、若年層に伝わっていない。深田大介氏(ドコモ プロモーション部)はWeb動画という場を選んだ。低予算で作れて、SNSで拡散される可能性がある。そしてなにより、「ドコモを好きになってもらえる機会」が得られるクマ。
▎ねらい・インサイト
「速さ」を伝えるのに、スペックを語っても刺さらない。ならば体感させよう。しかも、ドコモらしくない方法で。東急エージェンシーのクリエイティブディレクター・川地晢史氏が考えたのは、「最新技術をバカバカしく使う」という逆説だった。ドコモの古臭いイメージを逆手に取り、「まったく馬鹿げたコンテンツ」を作る。予想を裏切る衝撃と笑い。そして視聴者が「技術の無駄遣い!」「完全に火が通ってない!」「揚げてない!」とツッコミを入れながらシェアする——それが狙いだったクマ。
▎アイデア
料理番組風のフォーマットで、3秒でエビフライを作る装置を開発。圧縮空気でエビを射出し、空中で小麦粉・卵・パン粉の噴射を通過させ、炎で加熱し、キャッチャーミットで受け止める。全て実写。PCで制御されたタイミングで、コンマ単位の精度で素材を噴射する。続編の「餃子」篇では、さらに進化。2つの帯域を束ねて速度を上げる「キャリアアグリゲーション」技術を表現するため、2つの発射口からひき肉と白菜を射出し、空中で合体させて餃子にする。火力も強化され、6mの炎の柱。キャッチャーミットには蒸し焼き用の鉄板を組み込んだ。CGは一切使っていないクマ。AOI Pro.のプロデューサー・加藤久哉氏と監督・森義博氏の技術力の結晶クマ。
▎展開・成果
「エビフライ」篇は2014年11月にYouTubeで公開され、1ヶ月で再生回数1000万回を突破。「餃子」篇は2015年2月公開で500万回を突破。シリーズ合計で2000万回以上再生された。メディア予算もPR予算も割り当てられていなかったにもかかわらず、視聴者が自発的にSNSで拡散したクマ。Cannes Lions 2015では、ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門でゴールド(シリーズ)、フィルムクラフト部門でゴールド2本(各篇)、フィルム部門でシルバー2本(各篇)を獲得。Clio Awards 2015ではブロンズ。Good Design Award 2015も受賞したクマ。
▎余韻
「何やってんだドコモ」という感想こそが、この企画の成功の証だと思うクマ。真面目なドコモが、技術を本気でバカバカしく使う。その振り切り方が、愛されるブランドへの最短距離だったクマ。「ドコモらしくない」ことが「新しいドコモらしさ」になった瞬間を、クマは目撃したクマ。広告って、こういうふうに企業を変えられるんだよな、と改めて思ったクマ。
▎クレジット
- 広告主
- NTT DOCOMO
- 代理店
- 東急エージェンシーNTT Advertising
- 制作
- AOI Pro.
- CD
- 川地晢史
- CW
- 川地晢史
- AD
- 長谷川大介
- 監督
- 森義博
- プロデューサー
- 加藤久哉
- Other
- 川地晢史
- 受賞
- Cannes Gold (2015)
▎タグ
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