SYDNEY OPERA HOUSE|Play It Safe|2024|オーストラリア

「安全」を歌いながら、最も危険なことをやった / Sydney Opera House「Play It Safe」

これは、コンドームの広告ではないクマ。シドニー・オペラハウスの50周年記念ムービークマ。タイトルが「Play It Safe(安全にやろう)」で、Tim Minchin が歌う歌詞も「リスクを冒すな、安全にいこうぜ」って内容なのに、映像は徹底的に「危険な創造性」を讃えている。この皮肉が、めちゃめちゃ効いてるクマ。

背景・課題

1973年に完成したシドニー・オペラハウスは、当初の予算を14倍もオーバーし、建設期間も14年に及んだ「リスクの塊」だったクマ。設計者のヨーン・ウツソンは途中で辞任し、完成した建物を見ることすらなかったクマ。でもその「無謀さ」が、世界で最も象徴的な建築を生んだわけクマ。ところが2023年のオーストラリアは、保守化と同調圧力で「かつての反骨的な創造文化が抑圧されている」状況だったクマ。50周年という節目に、オペラハウス自身が「もう一度、勇敢になろう」と呼びかける必要があったクマ。

ねらい・インサイト

Barbara Humphries(ECD)は「オペラハウスは『エリート主義的』というイメージが付きまとっていた。でも本当は、アートは誰のものでもある」と語っているクマ。また「私たちは『勇気についての映画』を作るのに、臆病ではいられなかった」とも。つまりこのキャンペーンは、単なる記念映像ではなく、オーストラリア社会全体への「クリエイティブな反抗」の呼びかけだったクマ。Tim Minchin の皮肉たっぷりの歌詞は、「内側にある臆病な声」を戯画化しながら、それを無視することの美しさを訴えているクマ。審査員長の Tor Myhren(Apple)は「批評、論争、文化規範に立ち向かう勇敢なアイデアの祝福」と評したクマ。

アイデア

Tim Minchin と Kim Gehrig 監督がタッグを組み、オペラハウスの 8 つのレジデント・カンパニー(シドニー交響楽団、オーストラリア・バレエ団、シドニー・フィルハーモニア合唱団など)と、Jimmy Barnes、William Barton、Courtney Act らオーストラリアを代表するアーティストが総出演クマ。楽曲は Elliott Wheeler が 800 トラック以上を重ねてアレンジし、「静かな自己不信から、喜びの爆発へ」という音楽的な旅を描いたクマ。撮影は Stefan Duscio(ACS)が担当し、1.43:1 のスクエアな画角から始まり、クライマックスで 16:9 に「押し広げられる」演出を採用。歌詞にある「壁を作る」「心地よい箱を見つける」というメタファーを、アスペクト比の拡大で視覚化したクマ。建設中のアーカイブ映像と現代のパフォーマンスを並置し、建築そのものを「キャスト」として扱っているクマ。

展開・成果

オンライン公開後、わずか2週間で世界中に拡散。18億人にリーチし、662件のメディア報道を獲得したクマ。Tim Minchin が Spotify でリリースした楽曲は10万回以上再生されたクマ。2024年カンヌライオンズで Film 部門 Grand Prix(2本のうちの1本)を受賞し、さらに Silver 2本、Bronze 1本を獲得クマ。ほかにも Clio Awards Grand Clio、LIA Music & Sound Grand LIA、D&AD Graphite Pencil、The One Show Best of Discipline など、主要アワードを総なめにしたクマ。「今年最高のフィルム」「この業界にいることを誇りに思わせる作品」と評されたクマ。Accenture Song にとっては、6年連続でカンヌ最高賞を獲得する快挙となったクマ。

余韻

クマは正直、泣いたクマ。「Play It Safe」という皮肉が、ここまで強烈に効くとは思わなかったクマ。歌詞は「目立つな、波風立てるな、みんなと同じでいろ」と囁きかけながら、画面では人間が全力で踊り、歌い、飛び跳ね、オペラハウスという「建築の奇跡」が圧倒的な存在感で映り込むクマ。この矛盾こそが、メッセージそのものクマ。「安全にやろう」と言いながら、最も危険なことをやる——それがクリエイティブの本質だと、改めて思い知らされたクマ。Barbara Humphries が「不確実性に予算と時間を割くことが、業界の課題」と語っていたけど、この作品はまさにその「不確実性への投資」が生んだ奇跡クマ。Tim Minchin の才能、Kim Gehrig の演出、800人超のキャスト、800トラックの音楽、そしてクライアントの勇気。全部が揃って、初めてこの強度が生まれるクマ。広告というより、オーストラリアの文化史に刻まれる一本だと思うクマ。

▎クレジット

広告主
SYDNEY OPERA HOUSE
代理店
The Monkeyspart of Accenture Song
制作
Revolver x Somesuch
CD
Cameron BellSam Dickson
ECD
Barbara Humphries
CW
Jake Ausburn
AD
Alex Polglase
監督
Kim Gehrig
音楽
Tim Minchin (作詞・作曲)Elliott Wheeler (アレンジ・プロデュース)
Other
Tara Ford
受賞
Cannes Grand Prix (2024)

▎タグ

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