THE BLAZE|TERRITORY|2017|フランス
30秒泣き続ける男から始まる、帰郷の物語 / THE BLAZE「TERRITORY」
冒頭30秒、男が泣き続けるクマ。涙をこらえようとして、でも溢れて、家族に抱きしめられて、もう止まらなくなる。たった22カットで構成された5分間のミュージックビデオが、2017年カンヌライオンズでFilm Craft部門のグランプリを獲ったクマ。
▎背景・課題
THE BLAZEはパリを拠点とする2人のいとこ、GuillaumeとJonathan Alricによるデュオで、音楽と映像を同時に制作する手法で知られているクマ。もともとJonathanがブリュッセルの映画学校で課題のために音楽を作ってほしいとGuillaumeに頼んだことから始まったプロジェクトで、2016年の「Virile」で注目を集めたあと、「Territory」では初めてプロフェッショナルな体制でキャスティングを行い、カルト・ブランシュを与えられて制作したクマ。
▎ねらい・インサイト
「誰もが故郷と呼ぶ場所を持っていて、でもそこから離れて暮らしている。長い時間を経て家族のもとへ帰る若者の物語を通じて、愛や若さの傲慢さのような強い感情を描きたかった。家に帰るというのは簡単じゃない。もう自分が属さない場所で、もう一度家にいると感じるために戦わなければならない。それは喜びと矛盾が入り混じった強い感情なんだ」とJonathanは語っているクマ。Guillaumeは「これは男らしさだけの話じゃない。僕らはいつも若さを描きたいと思っている。友人や家族とどう過ごすか、瞬間をどう分かち合うか、その自由」とも。単なる帰郷の物語ではなく、移民や離散する若者たちが抱える普遍的な葛藤を、アルジェリアという具体的な場所に落とし込んだクマ。
▎アイデア
アルジェで撮影された映像は、海外で過ごした時間を経て家族のもとへ帰ってきた男が涙を流しながら抱擁される、感情的で複雑な帰郷を捉えているクマ。たった22カットで構成された5分間の中に、男が涙をこらえようとする冒頭のショットは30秒間そのまま続くクマ。ボクシングコーチが若者たちの前でワンツーパンチを繰り出す場面では、シンセの音と拳の動きが完璧に同期して、音と映像が一体になる魔法のような瞬間が生まれているクマ。祈り、眠り、踊り、遊ぶ——日常の親密さを、パルス感のある電子音楽と重ねることで、ナイトクラブにいるような高揚感とアルジェの太陽の下での解放感が同時に存在するクマ。
▎展開・成果
「Territory」のミュージックビデオは2017年カンヌライオンズでFilm Craft部門のグランプリを受賞し、さらにBerlin Music Video AwardsでBest Director、UK MVAでBest International Dance Videoを獲得したクマ。審査員長のRobert Galluzzoは「脆弱さと詩情がスクリーン上でどのように見えるかを示す、見事な例」と評価したクマ。Moonlight の監督Barry JenkinsやRomain Gavrasといった映画監督たちがファンを公言し、Saatchi & Saatchiの第27回New Directors' Showcaseにも選出されたクマ。
▎余韻
西洋文化では男が人前で30秒も泣き続ける姿なんてめったに見ないクマ。でもこの映像は、それを冒頭に持ってくるクマ。そこに全部詰まってるクマ。帰りたくても帰れない、帰っても居場所がない、でも家族はここにいる——その矛盾を、説明せずに、ただ映像と音楽で見せきるクマ。音楽デュオが自ら監督して、22カットでグランプリ獲るって、やっぱりすごいクマ。映像と音楽が同時に生まれる強さ、これクマ。
▎クレジット
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