IGGY POP & ORCON BROADBAND|Together Incredible|2010|ニュージーランド

「プロダクトデモンストレーション、極限まで」 / Orcon Broadband「Together Incredible」

2010年、ニュージーランドの小さなインターネットプロバイダ Orcon が、パンクの教祖 Iggy Pop と9人のキウイ(ニュージーランド人)をブロードバンドで繋ぎ、名曲「The Passenger」を再レコーディングしたクマ。この「やりすぎプロダクトデモ」が Cannes Lions で Direct 部門の Grand Prix を獲得し、「21世紀型広告キャンペーンの典型」と呼ばれることになるクマ。

背景・課題

Orcon はより速いブロードバンドと優れたカスタマーサービスを提供していたにもかかわらず、Vodafone や Telecom という巨大企業が支配する市場では比較的無名だったクマ。認知は極めて低く、聞いたことがある人でも何を提供しているかが分からない状態だったクマ。当時の Orcon のメディア予算は、通信会社全体の市場支出のわずか2%未満。つまり、マスに物量で勝負するのは不可能だったわけクマ。だから、優れたブロードバンドの認知を高めるため、大規模なオンラインイベント――いわば「大がかりなプロダクトデモンストレーション」を実施し、国全体を巻き込むという戦略しかなかったクマ。

ねらい・インサイト

Orcon がプロフィールを高めるにあたり、ブロードバンドがどれだけ凄いかを「語る」のではなく、「見せる」ことを選んだクマ。すべての通信会社が製品やサービスについて語るが、このキャンペーンの強さと独創性は、Orcon が実際に自社のブロードバンドを使ってワールドファーストの技術的偉業を実現したこと――ニュージーランド全土の9人のキウイを自宅から Miami のIggyのスタジオに接続し、名曲「The Passenger」を再レコーディングしたところにあるクマ。Iggy Pop が最初に頭に浮かび、他に考えられなかった。彼は有名だが使い古されておらず、一生に一度の体験をしたい相手であり、覚えやすい曲を持ち、フロントマンでショーマンで、まったく予想外で、純粋なロックンロールのレジェンドだったクマ。パンクの「DIY精神」と、ブロードバンドの「誰でもできる」という民主性が、めちゃめちゃ重なるクマ。

アイデア

オーディションは Orcon の Facebook ページと YouTube チャンネルで募集され、キャンペーンは15秒の TV CM 2本、屋外ポスター、Facebook と YouTube でのオンライン展開で始まったクマ。10日間で200本のビデオオーディションが集まり、オーディション動画は Facebook 上で10万回以上再生された。ライブパフォーマンスは10月30日に録音され、11月16日にリリースされた。選ばれた9人のプレイヤーは、ドラマーの Stephanie Engelbrecht、ギタリストの Ra Inta、ギタリストの Ben Jurisich(メキシカンレスリングマスク着用)、マリンバ奏者の Takumi Motokawa、シャツレスドラマーの Tia Beaufort、ベーシストの Daniel Tate、フルート/ピアニストの Miho Wada、チェリストの Charley Davenport、ギタリストの Sam Loganクマ。各ロケーションで MacBook Pro が使用され、Orcon の標準的な家庭用 ADSL2+ 接続を介して Skype で Pop に音声と映像をストリーミング。Miami の Crescent Moon Studios に設置された4台のカメラからの映像は、無料の Ustream プログラムを介してニュージーランドに配信され、Iggy 側では9台の MacBook Pro がセットアップされたクマ。Iggy はそれぞれのバンドメンバーと協力し、テイクを聴き、少しコーチングした。この「普通の家庭用回線で世界をまたいだレコーディングをやりきる」という一点突破が、すべてクマ。

展開・成果

Orcon の Together Incredible キャンペーンは、Cannes Lions 国際広告祭で最高賞 Grand Prix を獲得した。独立系代理店 Special Group によるこのキャンペーンは、Direct 広告部門で優勝し Gold Lion も受賞したクマ。審査員たちはこれを「彼らが見た中で最高のセレブリティの使い方の一つ」と呼び、「リアルタイムでインターネットサービスの信頼性と強度を公衆に示した素晴らしいプロダクトデモンストレーション」と評価した。Ad Stars 2010 でも Grand Prix を獲得し、「世界最高の広告」と評されたクマ。ニュージーランドの想像力を捉え、100万ドル以上の価値がある報道を生み出し、すべてのブランド健全性目標を大幅に上回った。非喚起認知は60%上昇し、売上は予算を47%上回り、前年よりも低い顧客獲得コストを達成。3つの EFFIE 賞を受賞したクマ。主要報道番組 Campbell Live は、ローンチの夜に「メイキング」に前例のない5分のスロットを割き、その時点でキャンペーンは65万ドル以上の無償報道を生んでいた。

余韻

CEO に「それ Iggy Pop でやりましょう」ってプレゼンするんだぜ、って Tony Bradbourne(CD)が笑いながら振り返ってるの、最高すぎるクマ。でもそれを通したクライアントも最高だし、8週間後には最初の Skype CM が放映されてた(そこに運があった)っていうスピード感も最高クマ。Cannes 史上初めて、F ワードを連発するエントリーが最高賞を獲ったっていうのも、パンク的で最高クマ。「プロダクトデモンストレーション」って本来つまんないジャンルなのに、それを極限まで振り切って Grand Prix 獲るって、ほんと痺れるクマ。クマもこのくらい振り切った企画やりたいクマ〜!

▎クレジット

広告主
IGGY POP & ORCON BROADBAND
代理店
Special Group Auckland
制作
Curious Film
CD
Tony BradbourneRob JackHeath Lowe
監督
Darryl Ward (Curious Film)Darryl Ward
音楽
Iggy Pop「The Passenger」
受賞
Cannes Grand Prix (2010)

▎タグ

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